2014/11/16
ギルバツ

放置して何年……(;°Д°)
供養供養!



 彷徨いに彷徨って。
 急に現れた空間から見下ろしていた闘い。此処なのかは確信はない。降ってきた剣を掴み、いざ参る。
「四本目をくれたのは、あんた……。お前なのか、バ……。……もしそうなら、俺の剣をかわせる筈! 行くぜ!!」
 振りかざし突き上げた剣は男を吹き飛ばした。
「ぎにゃぁぁぁぁ!!」
 呆気なく勝負はついた。何と言う興ざめ。此処ではない。またしても違う世界に来てしまった。
「何処にあるやら、次元の狭間」
 ギルガメッシュは、ガッカリしてその場を去った。
 増えていく剣の喜びとは裏腹に、何処か虚しさを覚えていた。満たされない渇きは欲している。あの記憶を、想いを、感触を。
 バッツ。
 俺の剣を受け止めてくれるのはお前しかいないんだ。
「逢いたい……」


 海賊一味のアジト。
 ファリスは此処で思う存分海賊生活を楽しんでいた。「レナには悪いけど、城は窮屈な上に退屈だ。私には合わないよ」と、言って頻繁に城を抜け出す。王女としての自覚はちっともない。レナもそれは分かっていたので、黙認する形だった。
 今日はアジトにバッツとボコが、ココと子供達に会いにやって来た。バッツが中に通してもらうと、子供達の元気のいい鳴き声が聞こえてきた。
「ココー。元気か?」
「クェー」
 ココはバッツに応えると、嬉しそうにボコに擦り寄った。ボコは奥さんのココと子供を守る為、一時バッツと離れていたが、また一緒に旅をするようになった。
「久しぶりだな。バッツ」
 先程まで海に出ていたファリスが戻って来た。バッツが来ていると聞き、すぐに足を運んだ次第であった。
「相変わらず放浪してるのか?」
「まあな」
 それから他愛のない話をしていたのだが、ファリスはどうにもバッツの様子に違和感を抱いた。確か一緒に冒険をしていた時にも似たような感じだった時があったのを覚えている。
「なんか元気ないよな」
「え? 誰が?」
 聞き返したバッツは振り返った。
「お前だよ」
 ファリスが突っ込むと、意外だと目を丸くさせた。
「別にそんな事ないぜ……?」
「嘘付け」
 バッツの裏側の本心は、暗く鎖されたままだった。知っている。これは、失った虚無感。
「淋しいんだろ」
「え……?」
「ギルガメッシュ」
「何言ってんだよファリス。俺は別にあんな奴……知るもんか」
 ファリスの言葉にいささか動揺しているバッツ。ファリスは確信と言う名のトドメを刺した。
「好きだったんだろ」
「は……?」
「ギルガメッシュ」
「な、ちっ、違っ!! 何でそうなる! 何で俺があんな奴を!」
 完全に動揺したバッツは、からかう格好の餌食となった。
「落ち込むのも無理もないな。あんな最後見ちゃ」



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