2014/02/13
レオン+皇帝

 主が書斎で転た寝をしていた。珍しい事もあるのだなと、レオンハルトは膝かけを代わりに肩にかけてやる。こうして見ると、冷酷無比なのがまるで嘘のように穏やかだった。
(どうして非道になれよう。少しでも民の為に情をかけて下されば)
 縋りたいのではない。信じたいのだ。この主が立派にこの国を導いてくれる事を。自分がいなくなっても、限りなく。
「陛下……」
 その為ならば何だってする。
 僅かに唸り身じろぐ。その顔は一体どんな夢を見ているのだろうか。幸せであってほしい。レオンハルトは出来上がった書類を抱え、静かに書斎を出た。



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