2012/02/11
正月の残骸(FF1

※敬語モンクシリーズ。結局完結出来なかったやつです(汗)。



 旅をしていて不便なのは、普通の行事をなかなか行えない事だった。そんな中、光の戦士一行は新年を迎えた。今日ぐらいはのんびりしたいと、旅の一時中断を決めていた。
 黒魔はテントの中でいつもより長く睡眠を貪っていた。やがて物音と鼻をかすめるいいにおいに目が覚めた。戦士と赤魔はまだ寝ている。起こさないようにそっと入口から外を覗き込むと、テント前でモンクが朝食の準備をしていた。黒魔はモンクと戦士の作るご飯が大好きだった。赤魔は家事全般がからきし駄目で、任せっきりである。いそいそとモンクのところへ行った。
「おはよう」
「おや、起こしてしまいましたか」
 起きてきた黒魔はモンクにもう少し寝ていていいんだよと言われたが、もう目は冴えていたので首を横に振った。
「新年明けましておめでとうございます」
「えっと。おめで、とう」
 モンクの挨拶に少し恥ずかしそうに黒魔は言った。
 それから隣でモンクが料理しているのをじっと見ていた。朝食はあまり正月らしいものは作れず、至って普段通りのものだが、それでも皆で穏やかに過ごせるのが黒魔は嬉しかった。正月らしい正月を過ごした事がないのもあり、余計にそう思っていた。
 そうこうしている内に朝食が出来上がった。
「黒魔。戦士と赤魔を起こして来てくれますか?」
「うん」
 モンクに頼まれ黒魔はテントに戻った。二人はまだぐっすり眠っている。黒魔の揺さ振り攻撃にまず赤魔が起き、続けて戦士も起きた。
「あけましておめでとう!」
 今度は恥ずかしがらずに挨拶が出来た黒魔は得意気だった。赤魔は寝巻きから着替えて身嗜みを整え、戦士は服を着たまま寝ていたのでそのまま三人揃ってモンクの元へ行く。
「うぃ〜。あけでとう」
「あけおめ〜。ことよろ〜」
 二人の挨拶にモンクも穏やかに応える。
「おめでとうございます。さあ料理が出来ていますよ」


×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -