2011/02/15
バシュヴァン

「レックスの……君のお兄さんの分まで、私が君を守る」
 償いの決意に、複雑な表情で返事はしなかった。
 仕方のなかった事。
 もう良いって。
 諦めにも似た許しを受け入れていた筈だったのに、振り返すような熱。チリチリと焦がす不愉快な怒り。
「そんなの、あんたのエゴだろ。オレには、関係ない」
「関係なくなどない!」
 半ば怒鳴るような声を上げるバッシュにヴァンは怯んだ。
「もう君と出会い、関わってしまったんだ」
 それは消えない事実でしかない。それを口実に何とか手繰り寄せようとしている。
「それが何だってんだ! それだけの事で、俺を」
 何故こんなにもバッシュを必死で遠ざけているのかヴァンは自分で分かっていた。
 レックスがバッシュに寄せていた信頼に嫉妬していた。


※ガブラサ以外に、バシュヴァンも好きです。


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