今日はクリスマス。
今年もお家は賑やかにLet’s Partyです!

「なぁ、もう一杯頂戴!」
「あまり呑みすぎないでくださいね」

と言いつつも、せっかくのクリスマス。ちゃんとコップに注いであげる。

「青空,俺にもくれよ」
「俺も」

…本当、お酒大好きですね。

「注いでばかりいないで、お前も食え」

一升瓶を持つ私に小十郎さんがドリアを小皿に盛って渡してくれる。
うー、優しいなぁ小十郎さん。

「ありがとうございます」
「………」

横から何か出されたかと思えば、小太郎君がオレンジジュースを注いで出してくれた。

「ありがとう、小太郎君」

今日はサンタさんの帽子を深く被っている彼の頭を撫でてあげれば、ほんのちょっとだけ口元が緩んでいる。

「やはり、青空の作る料理は美味いでござる!」

私の正面に座る幸村君は、ガツガツと作ったパスタを頬張る。
幸村君は恋愛に疎いって慶次さんとかによくからかわれているけど、こうやって素直に思ったことを言ってくれるのは、天然で女の子を喜ばせるね。

「ふふっ、ありがとう」
「旦那ぁ、それ俺の野菜」

幸村君の横では、サンタさんの格好を自ら進んで立候補してくれた佐助さんが私の作った料理を食べてくれている。
私は、佐助さんが作ってくれたスープを口にした。

「ん、スープ美味しいです!」
「そう?初めて作ったからよくわかんなかったけど。ま、俺様の愛がこもってる。てねー」
「野郎の愛がこもってても嬉しくねぇぜ」
「できれば女の子の愛がよかったねぇ」
「じゃぁ食わなくてもいいけど?」
「じょ、冗談だって!」

慶次さんは慌てた様子でスープを飲み込み、美味しいと声をあげた。同じく元親さんも。
凄く楽しいクリスマス。やっぱり、大勢で楽しむのもいいよね!

「なぁ、そろそろ、いいんじゃねぇか?」
「そうだな…」

元親さんと政宗さんをはじめ、7人はお互い目を合わせている。

「どうかしたんですか?」
「お前に、オレ等からのXmas presentだ」

そう政宗さんが言うと、小太郎君が後ろから綺麗にラッピングされてある袋を取り出し私に差し出す。

「わっ…わ、私に、ですか?」
「お前以外に誰がいる」

ぽんっと小十郎さんの手が頭の上に乗せられる。

「もちろん、受け取るだろ?」
「はい!ありがとうございます!」

どうしよう、すっごい嬉しい!
まさか彼等からサプライズでプレゼントを貰えるなんて。
袋は軽く、たぶん中には洋服か布系が入っている感触。

「開けてみなよ。ちなみに、それを買いに行ったのは俺様と、前田の風来坊と独眼竜の旦那、それに鬼の旦那」
「青空が好きそうなcuteな洋服だ」
「すっげぇふりふりで、絶対似合うと思って選んだんだぜ!」
「勿論、着てくれるだろ?」
「はい!勿論です!」

しかし私は、ここでそう宣言したことを、後々後悔することになってしまったのでした。
リボンをほどき袋の中から出てきたのは、フリフリな、可愛いお洋服。
確かに外見上は間違ってはいないと思うのですが…これは…確か

「…ネグリジェ?」
「…それは服か?」
「ぬ、布が薄いでござる!」
「………」

どうやら小十郎さん達も初めて知ったらしく、首を捻らせている。

「説明してやる。それはnegligeeつって、西洋のGirls pajamasだ」
「伴天連人の女の子はこんな可愛い服で寝てんだってさ!それなら、青空も似合わないわけがない!」
「そ、そんなことは…」

否定しようとする私に、佐助さんが肩を回した。

「にしても、青空がこれ着て寝てたら、俺様の理性正気でいる自信ないなぁ」
「ふぇ?」

な、なんでですか?って、それよりも!

「あの、これがネグリジェなのはわかりましたが…なんだか、薄くないですか?」

それに

「…透けてません?」

心なしか、反対側にいる小太郎君の姿が若干わかる。

「そうだぜ」
「ですよねー…へ?あの、え?」

わ、わかっていて買ったってこと?

「sexyな青空を見たいって意見が一致したからな」
「それ着た姿さえ見せてくれれば、一生忘れられない『ぷれぜんと』だよ」
「えっ…えええ?!」

そそ、そんな!そんな破廉恥なお洋服着た姿をお披露目しろと?!

「政宗様、あまりそのような不埒な行動はお控えくださいますよう申し上げたはずですが?」
「ささ、佐助ぇ!お主もだ!破廉恥でござるぞ!」
「……」

政宗さんの側近小十郎さんと、佐助さんの上司幸村君がどちらかというと反対の意見を出してくる。
頑張って!そのままなかったことにして!

「なんだぃなんだぃ、それ着た姿、見たくないのかぃ?」
「「「………」」」

あ、あれ?

顔を背けて何も言わなくなった3人に、買った4人は勝ったような笑みを浮かべた。

「何も言わないってことは、了承ってことでいいんだな?」
「ってことで」

ぽん、と、肩に軽い重みが

「勿論、着てくれるんだろ?」
「わかっているとは思うが、その中にhalfpantsやcamisoleは勿論、brassiereもつけんなよ」
「ええ?!そ、それじゃぁ本当に透け透け…」

い、いくら胸のところは少し布が厚いとはいえ、これじゃぁ支えられな…

「腹くくれよ?」

突然耳元で聞こえた声に、私は小さく悲鳴をあげた。

「俺等だけあげるんじゃ、ずるいよな!」
「だから青空からもくれよ?楽じゃねぇか、それ着ればいいだけなんだからよぉ」
「全っ然楽じゃないです!むしろ苦です!」

なんですかこれ?!羞恥心を高めるための修行ですか?!
しかも慌てふためく私を見て楽しんでませんか?!

「往生際が悪いぜ?着替えられないっていうんなら…」

元親さんが背後から私の腰を引き寄せた、かと思えば羽交い絞めにされる。
こ、これはもしや

「あ、あの、止めません?そもそも私の体なんて、いいとこないし…」
「なーに言ってんの」

なんとか弁解に持ち越そうとすると、佐助さんが私の前に顔を近づける。
にこにこと、楽しそうに笑顔で

「青空の体だから、見たいと思うのー」
「変態くせぇ…」

小十郎さんの呟きに笑っていた佐助さんは口を尖らせた。
その後ろから、政宗さんが私を見下ろして続ける。

「それに、青空はperfectだぜ?勿論全部、な」

その意地悪な目で私の全身が見られる。
それと政宗さんの口から発せられた言葉に、不覚にもドキリとしてしまった。

「と、いうことでぇ」

ポーッとしていると、佐助さんが笑顔で手をわきわきさせていた。

「早速着替えさせてあげるから、覚悟してね」
「いっ…!じ、自分でやりますぅぅうう!!」

もう今年1番恐ろしくて、とっさにネグリジェを手に取り自室に駆け込んだ。
すると、扉のむこうから彼らが声をかけてくる。

「いやぁ、青空ならそう言ってくれると思ってたよ!」
「待ってるぜー」
「ちゃんと言った通りに着てこねぇと…引き剥がすからな」
「ひっ…」

最後の政宗さんの言葉に身震いをし、その場にへたりと座りこんだ。
…こ、このまま寝てやり過ごそう。うん。

「ああそれと、寝て何事もなかったかのように過ごそうとしたら…襲うから」

ひいいい〜!
もう、何も策が考えつきません…。
扉のむこうでは、きっと彼等が立ち構えている。
これが、私からのクリスマスプレゼント…
私は…意を決し、服に手をかけた。
床に『恋人との素敵な夜に★』とのキャッチコピーが書かれた袋が投げ出された。



「お、終わった、か…」
「っ…め、めりー、くりすます…です…!」




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