「Let’s party!! Merry Xmas!!」

ポーンと、元親さんがシャンパンと開けると幸村君が大興奮!

そんなから始まったクリスマスパーティ。
パーティというだけあって、ちゃんと催し物もあるのですよ!!

「はいっ、皆さん!ここでプレゼント交換をしたいと思います!」
「ふれふぇんとふぉうふぁんふぇふぉふぁるふぁ!!(ぷれぜんと交換でござるか!!)」

早速チキンを頬張っている幸村君。
その目は待ってましたと言わんばかりのきらきら輝いてます。

「待ってました!めちゃくちゃ真剣に選んだよ!」
「じゃぁ、このくじ引いてください」

と、全員が輪になった中心で、私の手から出ている紐を見せた。

「え?何これ?」
「テメェにやるんじゃねぇのか?」
「え?あの、交換なので皆さんで…このくじを引いて繋がっていた人と交換ということで…」

あれ?何かがかみ合ってないよ?

「Oh…そういうことか」
「俺様達勘違いしちゃってたみたいだねぇ」
「俺らは、てっきりテメェにプレゼントを渡すもんだと思っていたのだが…」

そうでしたか…通りでプレゼントが1つだけだと…。

「なら、困りましたね…どうしましょう?」
「とりあえず、青空はオレが貰うぜ」
「ひゃう!?」

いつの間にか私の背後に回っていた政宗さんが、私の腰に腕を回す。

「なっ!破廉恥であるぞ!政宗殿!」
「このpresentはテメェ等でわければいいじゃねぇか。オレは青空本体を貰うからよ」

動けない私の耳を、かぷ、と軽く噛む。

「ひゃっ…!」
「何言ってやがる!両方ともオレがいただくぜ!」

無理やり私から政宗さんを離した元親さんは、私を俵のように担ぐ。

「わわっ、も、元親さん!降ろして…!」

―ヒュン―

一瞬の風とともに、私は地にがつく。
目の前には呆気にとられている元親さんが。

「宝をそういう風に扱っちゃ、逃げられるに決まってんだろ?」

私を横抱きで抱える、佐助さんがしてやったり顔でいた。

「佐助!破廉恥であるぞ!す、すぐに離れろ!」
「酷いぜ旦那ァ。俺様が助けたのにさー」

ずかずかと私から佐助さんを離しにかかる。
そのとき、ふいに幸村君の手が止まり、私が手にしている袋に顔を近づけた。

「これは…菓子の匂い!」

弾けるように顔を上げ、期待するような目で私を上目遣い気味に見つめあげる。

「もしかして手作りかぃ?いいなぁ、俺も食いたい!」

どこか幸村君をどかすように、慶次さんも現れる。

「………」
「小太郎君も?」
「…(コクン)」

ちょうどよかったのかもしれない。
作ったクッキーが入った袋を開けると、ほんのり甘いバターの香り。

「じゃぁこれ、皆さんで食べてください。一応のこと考えてたくさん作りましたので」

よかった。幸村君に当たることを考えてたくさん作っておいて。


「いいのかぃ!?じゃぁ早速」
「いただくでござる!」
「どうぞっ。クリスマスプレゼントが少なくなってしまいましたけど…」
「美味しいからいいよ」
「…」

お優しいお言葉ありがとうございます。
そんな中、1人だけ手を出さない方が。

「小十郎さんは食べないんですか?」

小十郎さんに近づくと、小さな私を小十郎さんが屈み気味に見下ろす。

「いや、俺の分も政宗様にやってくれ。美味いんなら、政宗様に食べていただく…。
 まぁもっとも、お前の料理で不味いものなどないがな」

…小十郎さんにお料理を褒めてもらうと、なんだかうれしいな。
でも、だからこそ小十郎さんにも食べてもらいたい。

「それでも、小十郎さんもせめて1個は食べてみてください」

1つ取って、腕を彼の口元まで伸ばす。
伸びてきた腕に気もせず、ふっと静かに口角をあげる。

「仕方ねぇな…」

1つ、私の手から口に運ぶ。
数回噛んでから、ぽんと私の頭に手を置く。

「美味かったぜ」
「Hey!何小十郎だけに食わせてやってんだよ!」
「それは不公平でしょー。俺様もあーん」

し、しまった…。

「す、すいません、もうないです」
「「「チッ」」」

本当は残り3個あったのですが、喧嘩になるといけないので。

「じゃぁ、俺等からも贈り物!」

慶次さんがそう言って、小太郎君が少し大きな袋を持ってくる。

「…………」
「あ、ありがとう」

私が両手で抱えないといけないくらいの大きな袋。

「開けてみなよ!」

シュルリと赤と緑のリボンを解くと、中からはテディベアが。

「わぁ…!可愛い〜!」

ぎゅっとそれを抱きしめると、もふっと肌触りのよい心地。

「喜んでもらえた?」
「はい、とっても!」
「な?青空はこういう可愛い物が好きだって言ったろ?」
「まぁ、小十郎が買ったときはだいぶ違和感あったがな…」

真紅のリボンがついたこの子。

「ずっと…大切にしますね」

彼等の心がこもった贈り物。
彼等の想いを抱きしめながら、微笑んだ。

「メリークリスマス!!」





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