「Honey. I love you」
「ひゃっ!いっ、いきなり抱きつかないでください!てか抱きつかないでください!」
「そりゃNo thank you」
「何がですか!」

こんにちは、突然ですが抱きつかれてます。
蒼いわんこに

「まっ、政宗殿!今すぐは・な・れ・よぉぉおお!!」

顔を真っ赤にしながら叫んでます。
紅いわんこ。

「青空が嫌がっておるではないか!」
「NO。んなことねぇじゃねぇか。大人しいだろ?」

ええ、叫ぼうにも貴方が私の口を押さえてますからね

「んー!んんー!」
「何だって?もっと抱きついてもOK?」
「んんんー!(NOOO!)」
「なっ、何と!真か!?」

いや、そんなショックと引き目で私を見ないで幸村君!

「ぷはっ。違いますー!」
「ぬぅ!そうでござるよな!さぁ政宗殿!早急に離れよ!」
「チッ。何でお前に言われて離れにゃならねぇんだよ」

そう言うと政宗さんは私を軽々と持ち上げて、膝の上へ。
うわぁ…人の膝の上なんて、お兄ちゃんに小さい頃やってもらって以来だよ。

「なっ、政宗殿の不埒!破廉恥!変態!」

幸村君、変態なんて単語どこから覚えたの!?

「ギャーギャー五月蝿ぇ!」

そして貴方は何処に手を回してるんですか!?腰って当たり前に言いそうだけど!
ふいに、幸村君が黙り込んだ。
すると!窓を急に指差して!

「あっ!あれは!」
「What?」
「何々!?」

つられて私と政宗さんも窓の方向を見た!
…あれ?何もない。
すると急に体が浮いた。

「ひゃぁ!?」
「油断大敵でござるよ。政宗殿」

見上げると幸村君の顔。私の体は横に向いたままで、幸村君に抱かれていた。
お、お姫様抱っこ…

「Shit!騙しやがったな!」
「騙されるほうが悪いのでござる」

…最近幸村君が黒くなっていってる。なんて佐助さんに言ったら『そんな風に育てた覚えはないのに!』とか言いそう。

「ゆっ、幸村君!お、重いから降ろして!?」
「全然重くない。むしろ軽すぎでござるよ」

私と幸村君の体がゆっくりと落ちる。
すると幸村君は、先程の政宗さんみたいに私を膝の上に乗せると抱きしめた

「ゆゆゆ、幸村君!?」
「青空には某が隣にいると約束した。政宗殿にはやれん!」
「ふっ、男になったなぁ真田幸村ぁ!」

いやいやそんなこと言ってる場合じゃないですって!
でも確かに幸村君、こっちに来てイメージちょっと変わったよ?
ゲームでは慶次さんとかにすっごく破廉恥!って叫んでたのに(まぁこっちでも叫んでるには叫んでるけど)
遅れた思春期到来!?

「だが、テメェが男になったのはオレには関係ねぇ。青空を返せ」
「嫌でござるよ」
「私を挟んで喧嘩しないでください!」
「NO.これは喧嘩じゃねぇぜ」
「左様。取り合いでござる」

喧嘩ですよね!?

「もうっ!それ以上そんなこと言ってると、今日の晩御飯なしにしますよ!?」
「「!!?」」

私の一喝に、その場のピリピリとしていた空気が止まった。
そして幸村君の力が弱まったのを見計らい、2人の間を抜けた。

「ちっちゃいことで喧嘩はめっ!OK?」
「お、OK…」
「…?お、おーけー」

あっ、わんこの耳と尻尾が垂れた…
そ、そんなに言い過ぎた気はしないんですが…ちょっと罪悪感。

「うー…」

正座する2人の間に私は膝をついた。

―チュッ―

我ながら恥ずかしいですが、2人の頬に唇を軽く落とした。

「「………」」

予想などまったくできなかった出来事に、2人は固まったまま。

「こっ、これで我慢してくださいっ」

顔が真っ赤なのがばれないように、私はキッチンの方へ駆けた。

「…私からのちゅぅには、弱いのかな…?」

そう思いながら、1人心で笑った。

「何故政宗殿の方が某よりも先だったのでござるかぁ!」
「そんなん、オレのほうが愛されてるからに決まってんだろ」
「そんなことは毛頭ないでござるよ政宗殿!自意識過剰過ぎであるぞ!」
「An!?なんつったよ真田幸村ぁ!」

言って3分も経たずに喧嘩を再び始めた政宗さんと幸村君にまた怒ったのは、言うまでもないです。





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