「………どうですか?」
ずずず。
本来排泄すべき場所に差し込んだ中指と薬指は、ほぼ抵抗なく熱い腸内へと姿を消した。
「うーん…ローションたっぷり使ったせいかあんまり違和感は…あ、こう抜き差ししてみて」
入れられるのは初めてだというのに、黄瀬は惜し気もなくM字開脚で恥部を晒して、なんて事はないようにリードまでしてくる。
まさか…とある一つの仮説が過ぎったが、職業柄人に見られるのに慣れているせいだと自分を納得させた。
「……こう?」
女性との性交経験など皆無なので、人の体内に指を突っ込むなど人生で初めての体験。
真似をして重ねた指を素早く出し入れすると、彼は恍惚と眉を寄せて荒い息を吐いた。
「…ッ、そう。ぁ、すごいナカで動いてる…」
「…………もうぬるっぬるですよ」
抽送する度にこぷりと溢れ窪みを伝う透明な潤滑油。
丸々一本使ってちょっと多過ぎたかと思ったが、自分のソレを入れるにはまだ幾分か狭いだろう。
「…もっと、奥まで欲しいですか?」
今から考えると青峰に無理矢理見せられたAVの影響だったと思う。
口からぽろり零れた発言に、彼は不意をつかれたようにきょとんと無邪気な顔をした。
「え、あ、黒子っちの指じゃ」
足りるのか、そう唇を動かそうとした瞬間、反射的に腕が動いていた。
すぼぉォッッ
「うわッ!!!!!ぁぐ…ゥ…ッ」
(あ、思ったより入る)
粘着質な音と共に、勢いよく差し入れた指は五本。
根本までは行かないものの肛門は一気に広がった。
明らかに許容オーバー。
「……フィストファックというのがあるらしいですね」
悪戯っぽく口端を上げて問い掛けると、唇をわななかせて青醒めた彼に些か気分が良くなった。
「ちょ、黒子っちがなんでそんな言葉?!真顔やめて!」
「でも勃ってますよ…気持ちイイんでしょう?」
痛みに萎えることなく未だ天を仰ぐ立派な性器。
浮き出た血管を煽るように舌先でなぞる。
そのまま中にきつく埋まった指をばらばらに動かした。
ぬちぬち。卑猥な水音が手元から響く。
「ん、なんか、へんな感じ…ッ」
「とりあえず最後まで入れていいですか?」
「だめえええ!何言ってんスか!!使えなくなるううう」
「いいじゃないですか。僕しか使わないんだから」
瞳に涙を溜めて泣き声をあげるモデルに、それは綺麗に微笑みかけた。
(黄瀬くんって、虐めがいがありますね…)
(……黒子っち、なんかすごい楽しそう…)
SとMの事情
とても良い相性です