気持ちいいような、苦しいような。



「……あ…ッ…」



ぐちゃぐちゃと粘着質な音が遠く方で耳を擽り、荒い息が唇から漏れる。



(あ…れ、おれの…こ…え?)



「ぐぁ、ッ…?!」



ぎゅうと下半身にきつい圧迫感を感じ、正臣はまどろみから一気に覚醒した。



「は……?」



瞼を開いた先には真っ裸の男が。

しかも正臣自身何一つ身に纏っていない。


いや、正臣は始めから裸だった。

昨日は目の前で笑う彼を抱いた後、疲れてそのまま泥のように眠ってしまったのだから。



「おはよ。もうお昼だよ?」

「…ッ、あ…ァ」



目覚めに聞くには不快な声と共に、朝勃ちをきつく搾られ、思わずうめき声をあげる。

臨也は正臣のモノを自ら挿入し、腰を揺すりながら所謂騎乗位という体勢で正臣を見下ろしていた。

朝からなんて、刺激の強い。



「な、なにしてんすか…ッ」

「愚問だなぁ。俺が飼い犬に手を噛まれて放っておくような男だと思った?」



(そんな、大人気ないこと)


心の中で呟いた文句は喘ぎ声に打ち消される。

くそ、前の衝撃で気づかなかったが尻の穴には細身のバイブが。
ぐりぐり前立腺を突かれて目がチカチカするような快感に悶えた。



「はぁ、あ、ふァッ」

「俺に挿れたからって俺のマウント取れると思ったら大間違いだよ」



臨也の中はぐずぐずに熱く、どろどろに蕩けていて。
その中を少しきついくらいで抜き差しされるのは、ああ、もう、たまらない。

なんとか抵抗しようとしても、身体が鉛のように重くて指がぴくりと震えるだけだった。



「ああ、筋弛緩系のガス吸わせたから。ほんとはシズちゃんに使おうと思ってたんだけど、ねッ」

「ちょ、やめ、ふかぁァァッ」



奥まで深く貫いて、今にも達しそうだったのに。

正臣のソレはすぐ直前でするりと抜けた。



「え……?」

「…ッっ」



驚く正臣を他所に、臨也は自身を素早く扱いて温かい白濁を正臣の腹にかける。



「ふぅ…。はは、そんな簡単にイかせる訳ないじゃん。俺に入れるならある程度上手くなって貰わないと」



ちゅ、と熱い唇が合わさり、どろりと甘い液体が口内に広がった。


(あ)


何度か経験のある甘さ。


よかった思い出など一度もない。


飲まされた液体の正体がわかると、憎しみを込めて睨みつけた。
臨也はそんな視線をものともせず、妖艶に微笑んで唇を赤い舌で舐める。



「君に入れられるのも悪くないけど、その生意気な性格は躾直さないとね」

「……ッ」




「まぁ、そんなところも好きだよ」と零した言葉は正臣には聞こえない。





「泣いて臨也さんイかせて下さいって言えるようになったら呼んでね」






またいつものパターンだ!







会稽之恥
は深まるばかり



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