長編 | ナノ
6.はじめての景色
「あー。そろそろ幸村様政務に飽きてきた頃だな。行ってこよー。」
ちょうど八つ時。ぽかぽかと心地よい日差しが注がれ、眠気を誘う。
主の集中力もそろそろ限界だろう。一緒に甘味を食べよう。
そう、幸村様の休息に付き合い、その後の政務の効率化をはかる。これも部下の立派な仕事なのだ。
「ちょっとなまえ。またそうやって理由付けて、結局サボりたいだけじゃん!」
「いや、実際に一度甘味休憩をとると、その後の幸村様の集中力は上がっているだろう。」
「たしかにそれも無くはないけど……。」
「長、今日は桜餅が食べたいってきっと幸村様は言う。」
「……それお前が食べたいだけじゃん。」
「……。」
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