stsk 短編 | ナノ






聞かないほうがよかったコト。






最近、
気になることがある。









『ねえねえ、梓』


「何さ」


『あのさ、
やっぱヒゲって生える?』



私がそう問えば「はあ?」とでも言いたそうな顔をする梓。


うん、なんかごめん。

でも気になるもんは気になるんだよ。





『いや、梓だって一応イケメンに分類されるじゃん』

「一応って何」

『まあまあ、そんで?』



どうなの?と聞けば呆れた顔をしながらも梓は答えてくれる。



「そりゃあ生えるよ。少しぐらい」

『ふぅん。
やっぱりイケメンはヒゲが生える時期も遅くなるものなのかねえ』

「知らないよ」

『まあ梓、何気に童顔だしね。出来れば想像したくないし』



私がそう言えばムッとする梓。

ああ、あれか。
童顔って言ったことに怒ってるのか。

しょうがないじゃん。
童顔だよ?君は。





「想像したくなくなるのは僕だけじゃないでしょ」


『は…?』


あれ、
なんか嫌な予感。



「想像してみなよ。

金久保部長がヒゲを剃っているところ。

青空先輩がヒゲを剃っているところ。

翼がヒゲをs…『待て待て待てえええ!!!!!』…なんなのさ」



そんなもの想像したくないいぃぃぃ

それ以上言うなら、その可愛いお口を塞いであげようか少年よおおォォ!!??




「人間なんだから剃るもんも剃るし、生えるもんは生えるだろ。馬鹿じゃない?」

『もういいよ!!!
いっそ、ずっと馬鹿でもいいからさ…。
お願いだからやめてください……』



私が深々と土下座して床とこんにちわをしていると、梓は仁王立ちしながら教室の扉のほうをみて「あ、」と言った。


なんだろ、と顔をあげると、先ほど剃ってるか剃ってないかで梓との言い争いの種になっていた翼がこちらに向かって歩いてきていた。



「ねえ、翼」


「ぬ?なんだ?梓ー」


「ちょっと聞きたいことがあるんだけどさ」


『え、ちょ…?』


「コイツがさ、気になってるらしくて」



眉を下げながら私を指さす梓。

ちょ、おいおいおいィィ!?



「翼もヒゲくらいs、」


『言わせねえよ!!!???』


「…ぬ?」













ああ、


空が青いなー。



聞かないほうがよかったコト。

(ヒゲ?なんなのだ?)
(や、だからさ…)
(梓テメエエエ)


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大分前にかいたお話。

朝起きて、ふと気付いたことだったりします。


友達に、これを送ったら

「ヒゲは萌えだよ」

みたいな感じで返ってきたので、郁ちゃんとか一樹会長がヒゲ剃ってたらいいよね!!

…と、会話したのを覚えています(;´-`)