髪は命。君は花。※主の言葉も「」です。
「私、髪切ろうと思ってるんだ。」
生徒会室に彼女の声と書類の上を滑るシャーペンの音が響く。
「勿体ないですね。長い髪も綺麗ですよ?」
サバサバした彼女のことだ。多分、その長く美しい黒い髪をバッサリと切るということだろう判断した僕は今思ったことを正直に彼女に伝えてみた。
「失恋したら髪を切るってあるでしょ?」
「まあ、ありますね。」
急にそんなことを言い出す彼女に少し驚く。
「私ね。その反対。」
「反対?」
「恋を始めたから切るの。」
恋とは無縁(と言ったら失礼だが)の彼女が話す色恋の話はとても新鮮で。逆にそれが何故か僕の胸をチクリとさす。
「この髪は彼に捧げるの。」
そう言った彼女の髪が窓から入った春風にさらわれてフワリと宙を舞う。
彼女の綺麗な髪が短くなるのはとても悲しいことだが、それよりも僕の心に住み着いてしまったこのドロドロとした感情は何だろうか。
きっと彼女が言う、その綺麗な髪をもらえる彼が心底羨ましいと思うのは僕の心が彼女を欲しているからなのだろう。
髪は命。君は花。
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おうふっ
何だこれはぁああああ