stsk 短編 | ナノ






何ですかそれ。







人間忘れることなんて星の数ほどあると思う。


かく言う僕だって人間だから忘れたりもするし。

でも、この展開は予想したくなかった上に改めて先輩の忘れっぽさに愕然としてしまった。







ねえ先輩。

どうしてなんですか。












「期待してたんですよ?」


<<は?>>





僕と名前先輩は世間的に言う恋人ってやつで、勿論僕は今日のバレンタインで大好きな彼女からチョコを貰う期待をしていた。



なのに、もうすぐで今日という日は終わる。

目の前の目覚まし時計は11時45分をさしていて、あまりのショックで先輩に電話をかけてしまっているこの状況。


自分でも呆れるけど、こうでもしなきゃこの人の忘れっぽさは直らないと思う。










「…今日、バレンタインです。」


<<…知ってるけど。>>


「っ!?」







え。

知ってたってどういうことですか名前先輩。

まさか面倒臭いとかなんとかで作ってこなかったんじゃあ…。

いやいや、それはさすがにないだろう。

…じゃあ何で。











<<…梓くん。今日がもう少しで終わるね。>>


「……」


<<機嫌なおしてよ。>>


「…無理に決まってるじゃないですか。」


<<ふうん>>









プツッ




…あれ?

通話、きられた…?







「…酷すぎます」




これは酷いと思う。

さすがの僕でも怒りますよ…!?









ピーンポーン









「…翼か?」



こんな時間に部屋に来るなんて…。





「はーい…」





ガチャ








『やっほう』




「せ…んぱ、い?」










チョコ、渡しに来たの。








先輩は笑った。







何ですかそれ。

(いやあ。最後の最後まで焦らされて、不安になってからの嬉しいことって倍に嬉しくない?)
(…それがこんな時間までチョコを渡してくれなかった理由ですか。)
(まあね)



------------



駄作だ…。

バレンタイの時に書いたやつですねー…。(白目)