想像してたのと違う。
『かいちょー。腹減ったー。』
「女の子が"腹"なんて言うな!!」
お腹が空いたと言え!お腹と!と叫ぶ会長。
あー。まじひまー。
生徒会室でズズズ…とお茶を啜りながらソファーで寛ぐ私と、資料に目を通しながら私にツッコミをいれる会長。
生徒会の裏番長と呼ばれる副会長の青空がいない今、私たちは(会長は私だけだと言う。)退屈という空間の中にいた。
『だーれも来ませんね。』
「颯斗は陽日先生の手伝いだしなー。…翼のやつも何故か来ないし…!」
会長の話を聞いていたら、聞いたことのない単語が飛び出して急須から口を離す。
『"翼"…?
…もしかしてアレですか?噂になってる会計の一年生。』
「そうだ。天羽翼。宇宙科の首席を常にキープし続けている奴で、この我が生徒会会計だ。」
『ほーう』
「……はっ!!まさか、お前!生徒会に入る気になっ『入りません。入りません。』…即答かよ!」
言ったじゃないか。噂で聞いたんだって。
…にしても。
やっと生徒会の会計が決まったのか。
ていうか、話を聞く限りむっちゃ優秀?
宇宙科で首席って…。
この学園の中で一番入るのが難関なのって宇宙科だよね。
しかも、運動能力もかなり高くなきゃいけないし…。
どうしよう。
顔はガリ勉の体はマッチョが来たら…。
こっ、こんな生徒会で暇を潰してるやつなんか一捻りで、こっここここ殺されちゃうかもしんない……!!!
ひいいぃぃぃ!!!!
するとその時…。
「ぬっぬっぬーぬぬー♪」
『…!?何この歌!!』
「お。翼だな。」
『!!??』
ええええ
やばいやばい。なんか色んな意味でやばい。
あんな奇妙な歌聞いたことないし!
てか、よく普通にしていられるな、かいちょ…
バッターーン!!
「ぬはは〜!!ぬいぬい!!」
「翼!!お前のせいで俺の仕事が増えてなあ…!!!」
「ぬわ゙あああ!!痛いぞ、ぬいぬい!ぐりぐりはヤメローー!!」
『……?』
あれ、なんか…
想像してたのと違う。
(ぬいぬいー!!)
(うわっ!だっ抱き着くな翼あああ)
((…犬みたいだ。))
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翼くんは、きっと大きなU^ェ^U。
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