いつもの週末の様に二人で買い物に出掛けて、いつも通り夕食の材料を買って、いつも通り一緒にスザクのアパートに帰ってきて、いつも通り一緒に夕食を作って、いつも通り二人掛けのダイニングテーブルに座って、いつも通りこの一週間のお互いの話をする、いつも通りの和やかな食事の時間。 「は………?」 言われた台詞はいつも通りには程遠くて、言葉を、失った。 「ん?もうルルーシュってば。ちゃんと聞いててよー」 「……………」 「僕、子供が出来たから結婚するんだよね」 心臓が一度、ドクンと跳ねて徐々に早鐘を打つ。 箸を握る手が震えて、じんわり掌に汗を握っている気がする。 スザクは今、なんて言ったんだったか。 そう、子供、 こ ど も 2度目にしてやっと脳にまで辿り着いた情報に、これが夢じゃ無いかと錯覚した。 ◇◇ スザクとは学生の時からの付き合いで、もう7年になる。 確かな言葉には無かったし改めてお互いの気持ちなんて確認する事は無かったけれど、 恋人 と、そう言っていい間柄、なんだと思っていた。 今この言葉を耳にするまで。 「ルルーシュ?ルルーシュー????」 ねぇ?聞いてる? そう言って目の前で小首を傾げるスザクの声が酷く遠くで聞こえる。 「…いや…、えらく急だな」 他に言い様があるだろう、と頭のどこかではわかっているのに、咄嗟に出た言葉は酷く陳腐だ。 ああ、そういえば。 さっきまで鳴り響いていた脳を揺さぶる心臓の音が、今は聞こえない。 「本当にね。僕もびっくりしちゃった」 肩を竦めて食事に手を伸ばすスザクはいつも通り。 何も変わらない。 いつもの、スザクだ。 平然と食事を食べ進めるスザクに倣って、俺も止まってしまった手を動かす。 いつも通りに味付けをした煮物を口に放り込んで咀嚼してみる。 ついさっきまで普通に食べていたそれに、味を感じられない。 現実か確かめる為に頬の内側思い切り噛んでみたけれど、強い痛みと血の味が口の中に広がるだけだった。 書きかけの作文見つけたので。中途半端。 |