じゃれあってキスをしながらベッドの上にもつれ込んだ、その時。 「あ、」 「え?」 服を脱がそうと手を伸ばしたしたその瞬間、何かを思い出したらしいルルーシュがスルッと僕の下から脱け出した。 「ルルーシュ〜〜〜〜?」 ルルーシュを呼ぶ声も、つい情けない物になってる自覚がある。 きっと表情だって情けない。 しょうがないじゃないか…、もう、気分はすっかり盛り上がってるのにこんなタイミングで一体何だって言うんだ。 ベッドに放置されて、しょうがなくルルーシュの動きを目で追う。 彼は何かをチェストから取り出しているようだった。 あれは…、 「…猫耳…?」 「そう」 カチューシャタイプの黒い毛並みのそれには見覚えがある。 「あー…猫祭りの時の…?」 「そうだ」 猫耳、確かにルルーシュに良く似合ってたなぁ…。 このタイミングで取り出してくるって事は、もしかして…?! さっきのガッカリな気分が一転して、期待に膨れ上がる。 そりゃ、期待するよね?! 「スザク」 「ハイッ?!」 名前を呼ばれて思わず返事に力が入ってしまう。 「お前、これ着けろ」 「…………………………………うん?」 期待していた言葉と180度違う。 うっかり間抜けな反応をした僕に、ルルーシュは楽し気に目を細めながら綺麗に微笑んでみせた。 ◇playing◇ え??? 「…………………君が着けるんじゃ無いの?」 「俺が着けてる所はこの間見ただろ?」 なら、なんの面白味も無いじゃないか。 そう言ってカチューシャを僕に渡す。 面白味、って言うか…。 「えー…ルルーシュが猫プレイしてくれるかと思って期待しちゃったよ…」 なんか…。 1回期待してしまった分、ちょっと…いや、だいぶ残念だ。 渡されたカチューシャを、手の中で弄ぶ。 こんなの僕が着けたって別に楽しくもない、と思うんだけど…。 「いいから着けてみろって」 「んー」 特に拒否する理由も無いから、一応ルルーシュの要望に応えてカチューシャを着用してみる。 頭に着けて、位置を調節して、 「これでいいの?」 僕が着けた所で別にルルーシュが興奮してくれる訳でもないだろうしなー。 なんて、思っていたら、 ルルーシュが僕の頬を両手で挟んで至近距離で見つめてきた。 え、なにこれ。 「ルルー、シュ…?」 嬉しいけど…嬉しいんだけど! なんか…なんていうか、反応に困るね?! 「ああ…スザク…」 なんでか、うっとり僕の頬を撫でながら見つめてくるルルーシュは壮絶に色っぽい。 何がそんなにお気に召したのかさっぱりわからないけど、何かがルルーシュの琴線に触れたんだろう。 これはこのままイったら良い雰囲気でヤらせてもらえそうな…! 「スザク」 「ッ?!はいぃ?!」 しまった。考えを読まれたか?! と、思った僕だったけど、近くで見つめられていたその距離はルルーシュの唇が僕のそれにしっとり重なってゼロになった。 瞬間、ちょっと意味が解らなくなって思考が止まる。 ルルーシュ?一体どうしちゃったんだ?!積極的で何て言うか凄く嬉しくはあるんだけどね?! なんだか訳はわからないけど、ルルーシュの唇は相変わらず気持ちいいし、これを逃す手は無い。 さっきまでいい雰囲気だったんだから、ルルーシュももちろんその気だろうし! 頭に猫耳が付いた間抜けな格好ではあるけど…まあいいや。 僕はルルーシュの腰に手を回して薄く開いていた唇を割り開いて舌を差し込んだ。 ら、 「ッ?ルルーシュ?」 薄いけど柔らかいルルーシュの唇が離される。 今度はなんだっていうんだ…。 「スザク」 「???」 「今日は俺に任せておけ」 ニヤリ、と何だか悪そうな顔をするルルーシュの何だかよくわからない色気に不覚ににも、くらくらした。 ◇ 「ふ…、ッ」 「気持ちいいか…?」 「…っ、きもちいいよ、ルルーシュ」 お互い裸の状態でベッドの上。 情けなくも頭にはまだ例のカチューシャを着けたまま。 胡座をかいている僕の足の間に顔を埋めて見せ付ける様にペニスを舐め上げながらルルーシュが笑う。 今日の彼は凄く積極的でいつもと違う様子にこっちも興奮してくる。 ルルーシュが手で緩く扱きながら再び喉の奥まで咥え込むのを見て、つい彼の後ろ髪を引っ張った。 「ねぇ、僕もしたい」 「ん…?」 頭を上下しながら目線だけ向けて上目に僕を見る。 正直たまらない。 眼福、というかむしろ眼の毒だ。 「…ッ!ちょ、っ」 そのまま僕の言葉はスルーされて喉で先端の締め付けを感じて息が詰まった。 ペニスを扱きながら添えられていた手も今は張り摘めて硬くなっている睾丸を優しく愛撫して擽っている。 ああ…気持ちいい。 「は…っ、ルルーシュ〜…」 これ以上続けられるとイってしまいそうで、さっきより強い力で髪を引っ張ると不満そうな顔をしながら口を離した。 唾液でてらてら光る唇が酷く色っぽい。 「なんだよ」 「僕にもさせてよ」 彼のペニスもしっかり勃ち上がっているのがお互い裸のこの状態だとバッチリわかってしまう。 僕のモノを愛撫しながら興奮してたのかな…なんて考えると僕のテンションも否応なしに上がってくる。 いや、もう既にテンション的なものはマックスだけど。 「俺に任せろ、って言っただろ」 「えー…だって…」 「…俺だってお前を気持ち良くさせたいと思ってるんだ」 駄目か…?なんて上目遣いで小首を傾げられたら、どう考えたってこちらの負けだ。 可愛すぎる。 「〜〜〜〜ッ!…わかったよ…」 「期待してろよ」 ふふっ。と笑って僕の胸元に顔を埋めると今度は乳首をちろちろ舐められる。 小さな唇から覗く赤い舌がやらしい。 左手で舐めていない方の乳首を押したり潰したりされてなんだかむず痒い。 「ここ気持ちいいか…?」 「んー…気持ちいいっていうか擽ったい…?」 「ふぅん?」 そうか。と一人で何かを納得してルルーシュは再び胸を愛撫し始めた。 胸はルルーシュの性感帯のひとつではあるけど、僕はそんなに気持ちいいと思わないなぁ。 と、思いながら乳首に吸い付くルルーシュを眺め見る。 舌で転がしたり吸ったり舐めたりする様子は、なんだかルルーシュこそ猫みたいだ。 やっぱりこれルルーシュが着ければよかったのに、と思わずにいられない。 「すざく?」 「うん?」 「…いや、」 あまり反応をみせない僕につまらなくなったのか胸元から離れたルルーシュは、ベッドサイドのチェストからボトルを取り出して中のローションを掌に広げた。 「あ、僕がするよ?」 「や、いい」 挿入の準備に使うと思ったそれをルルーシュは僕のペニスに塗りたくった。 え、なんで。 「あれ?」 「気にしなくていい」 「???」 ローションまみれになったペニスをルルーシュの白くて綺麗な指先が握るアンバランスさに生唾を飲み込む。 ルルーシュは右手でペニスを扱きながら、さっきまで弄っていた乳首に唇を寄せた。 これは、視覚的にヤバい。 ただでさえ一度イキかけたそこがまた硬度を増した気がする。 「、う…ぁ」 「スザク…可愛いな…」 ゆっくり手を上下されながら乳首を吸われて、さっきまでむず痒いとしか思わなかった刺激に変化を感じる。 ジンジン痺れるような感覚は快感のそれに近い。 先走りの滲む鈴口をくにくに弄られて竿を擦られて睾丸を優しく揉まれる。 全部が全部どうしようもなく気持ちいい。 と、そこで油断してたのがいけなかった。 「ッ?!?!?!ルッ?ルルーシュ?!」 睾丸からアナル周辺をなぞっているなぁ…とは思っていたけど! そんな! 「大丈夫さ。お前だっていつも弄るんだから」 「ちょ、まっ、待ってルルーシュ!」 「うーん…ここかな…」 「ぅあッ?!」 「別に痛くは無いだろ」 「え?!え、ちょ、」 痛いかと言われたらそこまで痛みは感じないけど! ああ…だからあんなにローションを…いやいやいや! そういう問題じゃないよね?! 「俺に任せろ、ってそういう意味だったの?!」 「…???俺はお前に気持ち良くなってもらいたいだけだぞ?」 首をこてんと傾げながら言われる言葉は凄く凄く可愛いけど、指が!ルルーシュの白くて細い指が! なんでか僕のアナルに突っ込まれていると思うと! 心中全く穏やかでいられない。 僕はルルーシュを抱きたいんであって抱かれたい訳では…! 「ルルーシュ…ちょ、抜こうか」 「いやだ」 「…ルルーシュぅ…」 ああぁぁぁ…間抜けだ。 ベッドの上で猫耳着けてアナルに指を突っ込まれるって一体どういう事態だ…。 本気で凹んで気分が萎えてくる。 のに、 「…ンあッ?!」 「どうだ…?」 ルルーシュが僕の様子にお構いなしに指を動かして、多分これは、 「ココか…?」 「ッあ!」 「あった、スザクの前立腺」 反射的に声が出て、あまりの事に萎えかけていたペニスが再び硬度を取り戻したのを感じてまた情けなくなる。 「気持ちいいよな?」 楽しそうにそう言ったルルーシュの顔は確かに男の物だと思った。 「あ…ッ、ァん!すざ、っ」 「ルルーシュ、ッ」 「ンッ!ゃっあっぁ!」 「気持ちいい?ルルーシュ」 「きもち、いっ、ぁッ」 結局、懸念したルルーシュが抱く側に回りたいのかという疑惑は誤解だったようで、今は僕の上に跨がって一生懸命腰を振っている。 上っていっても騎乗位なだけで挿入しているのは僕だ。 とは言っても、あれから散々アナルを弄られておかしな尻尾付きの大人の玩具まで取り出されて焦って無理矢理力ずくで形勢逆転したのは否めないけど…。 「ひっ!ぁあッ!すざ、ぁン、!」 「ルルーシュ、イく…?」 「アッアッ、イく、も、ぁっ」 「イっていいよ」 「ぁっ!ぁあっ!〜〜〜ぁンッ」 「僕も、〜〜ッ!」 ルルーシュがイって、締め付けを楽しむ余裕も無く僕もナカに放つ。 力無く倒れ込んできたルルーシュの腰をつかんで最後の一滴まで絞り出す様に軽く揺すった。 「?ルルーシュ…?」 倒れ込んだままのルルーシュの顔を覗き込むと、意識を飛ばしたのか寝てしまったのか目を閉じたまま起き上がる気配は無い。 「今日、頑張ってたもんね」 そっと汗で額に張り付いた前髪掻き上げる。 「君もちゃんと男だったんだねぇ」 起きてる時に言ったら憤慨しそうだな。と思って小さく笑う。 形の良いおでこにキスをして、まだ僕の頭の上にあったカチューシャをルルーシュに着けた。 「やっぱり君の方が似合うよ」 「ルルーシュ、聞き忘れてたんだけど」 「なんだ?」 「あの時使おうとした尻尾のやつの入手経路って…?」 「どうだと思う?」 「君が買ったの?」 「…秘密」 「…………」 もしかしたらまだ、前途は多難、かもしれない。 end 玩具は尻尾付きのアナパーです。 |