部屋の中は、月明かりが差し込むだけなのに随分明るかった。 月明かりに照らされて、目の前の肢体が一層艶かしく浮かび上がって見える。 一糸纏わぬ状態でシーツの海に投げ出されているルルーシュは、目の前の男が息を飲み込むのを感じて妖艶に笑って見せた。 「スザク」 そう言って真っ白な細い腕を、男の首に回す。 ルルーシュは余裕無く自分に覆い被さってくるスザクに、満足そうな溜め息を吐いた。 ◇戯れ言う人◇ 合わさってくる唇に、すぐに柔らかな舌が入り込んで深い口付けになる。 吸われるままに絡め、送り込まれる唾液を飲み下す。 巧みに上顎を擽られると、ルルーシュの背中は慣れた快感に慄いた。 そのまま舌先で首筋を辿り、無防備にその存在を主張する胸の先を爪で弾く。 「…ッ」 「声、我慢しないでよ」 無意識に噛み締められた唇に、スザクは自分の人差し指を差し込んでルルーシュの咥内を弄ぶ。 「ルルーシュ、舐めて」 言われた言葉にスザクの思惑を正確に読み取って、咥内の指をスザク自身をそうする時のように舐める。 指の付け根から第一関節、第二関節、感覚が鋭敏な指先。 吸って舌を這わせて柔らかく歯を立てて。 わざとらしくぴちゃぴちゃ水音を立てながら舐めていると、口淫の真似事ですらルルーシュの身体の熱を昂らせた。 「感じちゃった?」 ルルーシュの状態など、手に取るように分かる癖に態と羞恥を煽る問い掛けをする。 今更恥じらう事も無いと言うのにスザクの言葉にさっと頬に赤みを差す、その様も酷く扇情的だ。 そっと、温かい咥内から指を抜き取りルルーシュの唾液にまみれたそれで初めに少し弄っただけの胸の尖りを押し潰す。 「ン…ッ」 「気持ち良いんだ?」 反対側の胸を舌で舐め上げながら、上目遣いで問い掛ける。 柔らかかったそこは、僅かに芯を持って固くなってきた。 「ァ、ァ…ッ!すざ…ッ」 「ん?なぁに?」 執拗に胸ばかり責めていると、ルルーシュが我慢出来ないとばかりに腰を浮かせて揺らめかせてくる。 見ると、一度も触れていないはずの中心はが張り詰めて滴を溢していた。 「触って無いのに、こんなになっちゃったんだね」 「…ッは…、ぁ」 胸に唇を寄せたまま笑みを含ませて問うと、その刺激にすら感じ入ったようなルルーシュは、それでも少し睨み付けるように視線を投げた。 「も、ッ…!そこ、ばっ…か、り…ィ」 「うん、ごめんね?」 言いながら胸から臍へ舌を滑らす。 思い付きで鳩尾辺りに吸い付くと、ルルーシュの身体が跳ねた。 「ぁ…っ」 「ルルーシュ、可愛い」 スザクはそのまま震えるルルーシュの中心を通り過ぎ、その更に奥のスザクを受け入れ慣れているソコに手を伸ばす。 「ぇ、なん、で…」 「だって、ルルーシュ我慢出来ないでしょ?もうちょっと楽しもうよ」 不満気な声を上げるルルーシュに返事を返しながら、もう片方の手でローションを開けた。 粘性の強いそれを掌に広げて体温に馴染ませる。 「ルルーシュ、指、入れるよ?」 「ッ…言わなくていい…ッ」 未だに照れが交じるルルーシュに愛しさを感じながら、奥まった場所にローションでベタベタになった指で触れる。 しばらく回りをマッサージするようにローションを伸ばして、ゆっくり挿入する。 スザクとの情事に慣れた身体は、なんの抵抗もなく異物の侵入を許した。 「ん…ッ!」 「動かすからね?」 「だ、から…あッ!」 言いかけた抗議は、動かされた指によって喘ぎにとって変わった。 指の動きに合わせてぐちゅぐちゅと卑猥な音が聞こえて、ルルーシュの羞恥を煽る。 内壁を擦るように動かされ、探られるように押され、不規則な回転な回転を入れられながら、ソコはスザクを受け入れるべく解れてくる。 ルルーシュの口からは、既に悲鳴染みた喘ぎ声がひっきり無しに聞こえていた。 「ね、ルルーシュ。入れてイイ?」 スザクのその言葉に、ルルーシュは自らの脚を大きく開いて、 「っていうわけなんだよ!」 ルルーシュ、続きは?! 朝っぱらから眼の前で煩く喚き立てられて頭痛がしてきた。 というか、続きって何だ。 「…朝から一体何だっていうんだ…」 「だからー!ルルーシュが誘ったんじゃん!」 「お前、馬鹿じゃないのか。夢の話だろう」 そうだ。 コイツは朝から寝てる俺を叩き起こした挙げ句、夢の妄言をひたすらほざいて何故か俺に責任転嫁しようとしてるんだ。 何でだ。 前々からおかしなヤツだと思ってはいたが、遂にアレしてしまったんだろうか。 「ルルーシュ、なんか失礼な事考えてるだろう」 「まさか」 おかしい癖に勘だけは鋭くて困る。 「まぁ、そんな事はどうでもいいよ!じゃなくて!」 「出ていけ」 「じゃなくて!さぁルルーシュ!僕に全てを委ねていいよっ」 「出ていけ」 「じゃな「出ていけ」」 尚も喚きたてようとする馬鹿に辟易して、悪いと思いながらも朝食の下準備をしていた咲世子さんを呼んでスザクの相手をしてもらう。(因みに、居るはずの無いスザクを見ても、少し驚いた顔をしただけで余計な詮索はしなかった。探られて不味い事など一つも無いが、彼女のそういう面は非常に優秀だと思う。) アイツは外面はいいからな。 下手な事はしないだろう。 時計を見るとまだ5時だ。 常識的に考えて有り得ないだろう。 とりあえず、ナナリーを起こさなかった事に安堵して、俺は二度寝をする事にした。 ところで、自室には鍵が掛かってた筈だがアイツはどこから入ったんだろう…。 ふと浮かんだ疑問は微睡みに溶けていった。 end 神出鬼没な男枢木。招かざる客である事は確かです。 |