たのしい話を強請る子どもを前にして、一瞬言葉に詰まるのはご愛敬というものだ。ねえねえと笑みを作る口元と、きらきらと眩い瞳を真正面から見据えて、へらりとだらしなく笑うことが先決だった。誤魔化そうとか、そういう意図はないけれど、伝えたいところは別にあるのだ。頭に置いた手のひらに、くすぐったそうに笑う彼に、例えば伝えたいことといえば、



「――この星の先輩として、たくさん教えておきたいことがあるでありますよ!」




39.ラルゴ
 遠い過去より、近い未来より、手の届くような当たり障りのない、優しい今の話だけをしていたいのでした。
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