思えば刷り込みのようでもあるが、彼が僕に笑いかけてくれたときから、彼は僕のヒーローなのだった。差し出された手のひらは、薄暗い場所でいつでも泣いてしまいたかった僕にはまぶしくてしかたなかったし、いやなこともたくさんあったけれど、それ以上にすばらしいことがたくさんあった。今でも、僕を正しく助けられたのは彼だけだろうと思える。あんなむりやりな強引さでこそ引き上げられたのだ。 それでも一方通行とは悲しいもので、彼の言葉は僕の生き方さえ容易く変えられるというのに、僕の言葉が少しだって彼に作用することなどないのだった。他意なんてなかっただろう言葉で、限られた僕の生き方は、思い返すと我ながら大変なことである。冗談めかして笑い飛ばすには、いつだって選択は重い。 たぶん、そばにいられれば何でも良かったのだ。この真っ青な自然溢れる星で、ある程度の冷静さを手にしても、彼は変わらず僕のヒーローであった。心の隅に、いつだって特別に居座っている。特別で、大事だ。どんなふうに扱えるかも分からない。 ただただ、愛とか恋とか、そんな言葉ではないけれど、いっとうきみが好きなのだった。ただただきみが、僕を生かしてくれるのだった。
27.ヒーロー 青さんは割と落ち着いてる漫画の方と色々見失ってるアニメの方、どっちに合わせればいいのかいつも決まりません。どっちも隊長好きに変わりはないとは思うものの。
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