悪魔と悪魔の話


※裏注意




「……名前」
「んー?」
「いつまでそうしてるつもりですか」

私はじろりと名前を見るが、視線を向けられた本人である名前は気にもせずに私の立派なアホ毛をいじっている。何が楽しいのか、この動作は約一時間程続いていてずっと椅子に座っているから動きにくいわ気恥ずかしいやらで趣味であるゲームに集中出来なかった。

「もう一時間ですよ?何がそんなに面白いのですか」
「メフィストって外だとハット被ってんじゃん」
「そうですね。紳士の正装ですから☆」
「正装姿でも十分可愛いけど、いざハットを取ったらまさかのアホ毛でびっくりしてさ。お前何なんだよ可愛すぎんだよ」

名前のよく分からない心境をぶつけられ、何だか顔が熱くなる。後ろから抱きつくような体勢の為にかなり密着している。相手が男だからと云っても好きな人、恋人であるには変わりないのだから私だって多少は緊張だってする。

「ん」
「ひっ!?」

急に耳がぞわりとし、びくんと体が震え、思わずゲーム機を手放した。名前がアホ毛をいじりながら耳を口に含んだのだ。

「ちょ、名前…なにして、」
「んー…」
「も、んん、名前…!」

厭らしい動きで舌を耳に這わせる名前は意地悪だ。私と名前には身長差がある。私は190cmを越す長身だが、名前は175cm。日本の成人男性の平均くらいだが、私と比べると結構な差だ。
普段それが悔しいのか、私が座っていると途端に意地悪になるのだ。

「メフィスト…可愛い」
「は…やめ、名前…!」

耳を舐められている(厭らしさが満載だが)だけでこんなに体が反応してしまうなんて、恥ずかしい。それだけ名前に開発されて、愛されて、愛しているのが体で表しているようなものだ。

「…もうこんなにしちゃって。そんなに耳気持ちい?」
「あうっ!やあ、触ったら…だめ、です…っ」
「何で?今止めたらメフィストが困るんじゃない?」
「ひうう…!」

ズボンとタイツ、下着を下げ、勃ち上がってしまっている自身を名前の手で包まれて扱かれる。今自身に触っているのが名前だと思うだけで色々と限界なのに、刺激されたらもう耐えられない。

「あ、あ…!ひ、くう…っ、名前っ、やあ…出しちゃ、」
「ん、出していいよ」
「ふ…、っひああ!」

亀頭に爪を立て、ぐりぐりと強い刺激をされて私は達した。視界がちかちかしてぽやっとする。息を調えながら名前を見ると掌に付着した私の精液を見てからにこりと笑った。

(……嫌な予感がする)
「メフィスト、はいあーんして」
「っ!!」

掌から指で精液を掬った名前は私の口内にそれを突き入れた。突然の行為と自分の出したものが口内にあるという不快感で眉間が寄る。何で自分の精液なんか口に入れなければならないのか。こんなの気持ち悪いだけだ。

「っぷは、名前!何するんですか!」
「…メフィスト」
「…はい?」

私の抗議も聞かず掌を見せる。そこにはまだ精液が付着していた。

「これ全部無くなったら、メフィストの望む事をしてあげる」

そう言って笑う名前が悪魔に見えたのは多分気のせいではない。

だが、その言葉を聞いて一瞬腰が疼いたのは気のせいであってほしい。







  
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