アイスクリームシンドローム
彼女にとっての1番は俺じゃないらしい。


「セトー聞いてよ!今日カノがね、」


アイスを片手に彼女は話しだした。
近くにいるはずの彼女がやけに遠く感じる。


ほんとはそんな話ききたくないんです。
カノの話をして辛そうに笑う五月なんて見たくないんです。


でも曖昧に笑って励ましている自分がいて。
それにつれて明るくなっていく笑顔をみるのが幸せで。


「話聞いてくれてありがとう」
「どういたしまして。でもなんでいつも俺に相談するんすか?」
「相談しやすいから。セトは親友だし!」


親友。
嬉しい言葉。
嬉しいけど、辛い、残酷な言葉。


「そうっすね、親友っすもんね」
「そうだよ〜」


まばたきをしたら手が届きそうな、普通の距離感でみえるだろうか。
開けた目の先の君はやっぱり遠かった。


食べようとしていた溶けたアイスクリームはゴミ箱に投げ捨てた。




2012/08/26
スキマスイッチさんのアイスクリームシンドロームを元にしてます。
私の大好きな曲です。


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