塚原くんと病気の少女
「は、」
「だから、あの、好きです…」


今まで話したことも片手で足りるくらいの接点しかなかった
クラスメイトに告白された。


「あ、でも、別に付き合って欲しいとかではなくてですね、明日から私、
…しばらく学校に来れないので、気持ちだけでも伝えておきたくて、
それだけなんです」


彼女が何を言っているのかわからないくらいテンパっている。
ふにゃりと困ったように笑う彼女は、クラスの男子が可愛いとよく言っている子で、
それが尚更俺を混乱させる。


「だから、えと、気にしないで!じゃあね、塚原くん」


その笑顔のまま固まった俺を置いて彼女は行ってしまった。
なんだか一瞬のことだったし、夢みたいに思えていた。

その時の彼女の言葉をあまり聞いていなかったことに、俺は後悔することになる。



「藤原さんが今日から入院するのでお休みです。
少し長くなるかもしれないとのことです」


入院。
その言葉だけが脳内でループした。
だって昨日は、元気そうだったし、そんなこと、


"しばらく学校に来れないので"


言っていた。
俺が固まってあまり聞いていなかっただけだ。
彼女は言っていた。
なんで聞き逃したりしたんだろう。
ちゃんと聞いていたら、俺は、


俺も、好きだって言ったのに。








2012/08/25
連載にしようと思ってたやつです。
…これ連載でやってもいいかなぁ?


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