07


「三宅ー、あれ、三宅は?」
「なんか熱あったらしくて帰ったよ」
「まじ!?大丈夫かな…あ、東条は?」
「三宅を寮まで送るってさ」

「金丸ー」
「教科書借りれたのか」
「三宅が風邪で東条が寮まで送ってるらしくて2人ともいなかった」
「………」
「春っち貸してくんないしどうしよー!」

嫌な予感。



「大丈夫?歩ける?」
「だ、大丈夫だよ、そんなに熱が高いわけでもないし…」
「何度?」
「…38度」
「ばかっ」

いい終わらないうちに東条くんに怒られた。
理由がわからなくてきょとん。

「すごい高いじゃん!ほんとは歩くのも辛いんじゃないの」
「えっと、……」

心配そうに見てくる東条くん。
あー、顔が熱い。熱のせい。

「…ちょっと肩かしてもらえたら嬉しいです、」

少し甘えてみよう。これも熱のせい。

「三宅はさ」
「うん。」
「俺のこと嫌い?」
「えっ、なんで?」
「俺に頼ってくれないし…」
「そんなことないよ?」
「さっきだって俺じゃなくて小湊に言ってたじゃん」
「たまたま春市くんが気づいたから…」
「でも、でもさぁ、同じクラスだよ?守備も近いし、仲いいつもりでいたんだけど」

小湊より俺のほうが三宅と仲いいよね?
なのにさぁー。

ぶつぶつ。そんなつぶやきが聞こえてくる。
え、何それ、それさ、

「東条くん、嫉妬?」
「……はっ?」
「えっ、その、嫉妬なのかなぁ、って、」
「……そうなのかな」
「いや、わかんないけど…」

何だよ、もう。
これだから天然は。
そんなこと言われたらさ、

「期待しちゃうよ……」
「え?」

あ、やべ、声にでてた。
え、ど、どうしよ、えっと、えっと……

あー、頭いたいすごい混乱してる軽くパニック熱であんま働かないし、

「俺東条くんのこと好きなんだから…」

正直、何言ったのか記憶にございません。






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