03


「御幸先輩、おれはどうしたらいいのでしょうか。」
「うん、なんで俺に相談することにしたんだお前は。」



自慢じゃないけど、俺は性格が悪いと散々言われている。
そんな俺に相談事をしようとする三宅はある意味すごいと思った(それと、少し嬉しかったり)。

「周りに御幸先輩しかいなかったので、仕方なく。」
「はっはっはっ、お前最悪。」
「ほんとは金丸に相談したいんですけど。あいつあんなんだけど世話焼きで、いい人なんですよ!御幸先輩と違って。」
「あれ、三宅ってそんなに俺のこと嫌いだったの?」
「はい、割と嫌いです。」

可愛らしい笑顔と一緒に知らされた悲しい事実。
まさか三宅がそんなに俺のことを嫌ってたなんて。

「なーんて、嘘ですよー。おれ嘘つくの上手くなったと思いません?」

予想外の発言に驚いて数秒たったのちにでたのは「はぁ?」という
なんとも間抜けな声だった。

「金丸に、

「お前はわかりやすすぎるんだ、バカ。
嘘つく練習とかしてみたら少しはましになるんじゃないか、バカ。
御幸先輩が騙せれれぱ相当なものだ。
そのくらいになるまで練習しろ、バカ。」

って言われたんで、練習です。どうです?先輩騙されました?」
「あぁ、騙された騙された。やぱいな。てゆうか金丸バカバカ言い過ぎじゃないか?」

そう言った俺のしゃべり方はどう考えても棒読みだったのに、
三宅は嬉しそうに「ありがとうございました!それじゃあ!」と走り去って行った。
このことを金丸にでも報告するのだろうか。


素直すぎるがゆえに恐ろしい。
(とりあえず金丸は一週間俺のパシリ決定。)(金丸!御幸先輩に勝ったよ、おれ!)




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