*フェザー時空の黒い幽霊の娘と兵部京介と真木司郎の話。



【真昼の朝焼け】


「真木、今は昼だったよな?」
「……? ええ、まあ」

 思わず横に佇む部下へ尋ねる。

「本当に?」
「まあ、午後一時ですからね」

 あいにく、僕にはそうは見えなかった。

「そうか……」

 その日の太陽は、どうも赤すぎた。

「はあ……」

 赤くて、暗くて、昼というよりは夕焼け、いや、朝焼けの方が近い。

「今日は日食でもあったか?」
「いえ、そんなことは」

 で、どうもこれは僕だけに見える光景なようだ。参ったな、歳かな。それともサイコメトリかテレパス的な何かか?

「ふうん……」

 そうなると、何かの前触れかもしれない。そう思うほどまでに空は明すぎて赤すぎて。

「まあ、それはいいですから早く戻りましょう、今日は日差しが強いです」
「ん、そうだね」

 まるで、流れて広がった、誰かの血の色のようだった。



 ――――その日の事だよ。黒い幽霊の娘が行方を眩ませたのは。





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