【貴方が愛おしくて泣いた夜もありました。】


 さて、そういうわけで、一年ぶり……でしょうか。

「なまえ」
「京介さん」

 服はボロボロ、体もボロボロ血まみれ。今にも倒れてしまいそうで、それにそれからよく見たらお腹にも穴ぼこが1つ。

「えっと、久しぶり」
「ええ、本当に」

 でも、生きて帰ってきた。

「怒ってる……?」
「いいえ」

 ただそれが嬉しくて嬉しくてたまらなくて。本当に、もう、それだけで私の胸はいっぱいになってしまっておりまして。

「本当に」
「もちろんですよ、おかえりなさい、京介さん」

 だから私は震える手で、彼の体をぎゅ、と抱きしめたのです。

「……ただいま、なまえ」

 それが貴方の意志ならば、私は何も言いませぬ。私は、そんな貴方だからいままでずっとそばに居た。





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