【冬至】


 雪の結晶の一粒一粒も見えるほど、しんと冷えた夜の事。

「僕は、死ぬのか」
「私も、死にます」

 二人しか残っていなかった私達は、ついに死を迎えることとなった。重たい雪に埋もれた戰場での事だった。

「そう、か」

 彼岸への句を読もうと、筆を取った彼の手は既に冷たく。

「はい」

 私も、背を流るる血雨の冷たさに静かに目を閉じました。





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