私が彼を好きな理由は分かっても | ナノ




・私が彼を好きな理由は分かっても



「私のどこが好き?」
「はぁ?」
ビール片手にソファーでくつろいでいた彼に、詰め寄ってみる。

「ね!」
「知るか」
答えを促すと、そっぽを向いてしまう。
照れてるのは分かるけど…。

「教えてよ」
「何で」
「気になるから」
彼は黙ってしまった。

じゃあお前はどうなんだよ、って返されたら、答える準備は出来ているのに。

「さぁ」
そう返さないのが彼だ。
はぐらかす手に出たか。

「教えてよ!」
「しつこいな」
言ってしまってから、しまったという顔をする。
彼が口が悪いのを私は知っているし、彼自身も自覚している。

それでもそんな顔するってことは、私は今きっと傷ついた顔をしている。

「たくさんありすぎて、うまく言えねぇんだよ!」
どれが一番かも決めらんねぇし、とまくしたてるように答えた。

あーぁ、私の負け。

「私は、夏木さんのそんな所も好きだよ」
ニッコリ笑うと、いつもの腕が伸びてきて、少しぶっきらぼうにキスされた。

こういう行動、仕草も好き。





*****
(彼が私を好きな理由が分からないのです)

バトンお題から。
初、夏望!!
望に太刀打ち出来ない陸の上じゃヘタレな感じの夏木さんが大大大大大好きだ!!(笑)
自分に自信がないから、お前はどうだって聞き返せないといい。

祝・クジラの彼文庫化。







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