初めてのキスはあなたと、 | ナノ
「ゆやさんのファーストキスって…ゆやさんからってことになるかな?やっぱ!!初めてにしてなかなか大胆だねぇ〜」
「え!?」
いきなりそんなことを言い出した幸村に、ゆやは驚いて声をあげ…言葉の意味を理解し、徐々に赤くなっていく。
そんな本人を差し置いて、梵天丸が幸村の発言を訂正した。
「いや、幸村。ゆやちゃんのファーストキッスは…狂じゃなくて辰伶だろ?」
最後はボソッと、言いにくそうに小声で告げた。
「梵ちゃん、何言ってるの。好きな人以外とのキスなんて、キスに数えないよ?乙女心がわかってないな〜vV現実がどうとかそんな細かいこと気にするのは、男だけだってv」
「……そ、そうか?」
ゆやにとっても、狂にとっても、そして今となっては(身の安全のため)辰伶にとっても、そう考えた方がいいことは梵天丸にもわかったので、それ以上は追求しなかった。
「で、やっぱゆやさんからだよね?それともやっぱり二人はそれ以前に色々と…」
「な!!何もありません!!してません!!」
妙な期待を込めて見つめてくる幸村を完全否定する。
「じゃやっぱり僕らも知ってるあの時だv」
「!!」
「そっか〜ゆやさんの初めてのキスは、愛と祈りがたっぷり詰まった触れるだけの優しいキスだったんだねぇv」
「な、なな幸村さん!!!」
具体的に表現しだした幸村に焦るゆや。
「よかったね!!だって狂さんからだったら…いきなり舌が入ってきそうじゃない?」
「な゛!!」
「やっぱ女の子としては順番に…初めは触れるだけがいいよね〜v」
「……!!!」
真っ赤になって口をパクパクさせるゆや。
「確かに…狂だからなぁ〜」
少し驚きながら、梵天丸も幸村の意見に頷く。
「でしょ!!」
楽しそうに返す幸村。
そこへ…
ガラッ
「……」
「「き、狂!!」」
「あ、狂さんv」
真っ青になる梵天丸と真っ赤なままのゆやとよりいっそう笑顔になった幸村。
と、スタスタとゆやの前に歩んでくる狂。
「狂…もしかして今の聞…」
梵天丸が言い終わらないうちに…
「…望み通りかましてやる」
ゆやの顎を片手で持ち上げ、
「な!!…んっ………ふっ………ふー!!!」
ゆやの息が続かなくなるまで、強烈なディープキスをぶちかました!!
「…ちょっとからかってただけなのに…見せつけられちゃったねv」
「…もう俺様は知らねぇ」
面白がる幸村と脱力する梵天丸だった。
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・はじめてのキスはあなたと、
(それは触れるだけの優しいキスでした)
触れるだけではないけど、ちゃんと『優しいキス』だと思いますよv愛があるからね(笑)
久しぶりに書いたけど結構ポンポンいけますね!!