放課後デート | ナノ
まもちゃんは学生カバンを二つ持ってくれるの。
一つは自分のカバン。
教科書だけじゃなくて、暇な時に読むための本も入ってるだろうから…やっぱり重いでしょうね。
本人に言ったら、「文庫本だからそんなことないよ」とか言いそうだけど。
もう一つは…お察しの通り、うさぎちゃんのカバン。
教科書よりお菓子がたくさん入ってるんじゃないかしら?
…重さはあんまりなさそうね。
さて、どうしてうさぎちゃんのカバンをまもちゃんが持ってくれるかって?
それは、うさぎちゃんの両手が塞がっちゃうからよ。
「あ!!ソフトクリーム!!」
ほら、始まった。
「まもちゃんソフトクリーム食べようよ!!」
嬉しそうに笑ってお店に駆けていくの。
まもちゃんの腕に絡めていた手を解いて。
「うさ」
まもちゃんは、仕方ないなって優しく笑って、うさぎちゃんの後を追っていく。
「おじさん!ソフトクリーム二つ!!」
「俺はいいよ」
「そぉ?じゃあ半分こしよっ!!おじさん、やっぱりソフトクリーム一つ!!」
「あいよ!!」
美味しそうなソフトクリームをおじさんから受け取る前に、うさぎちゃんはカバンから財布を出そうとするの。
でも、まもちゃんが自分の財布からお金を出すのの方が早くて。
「俺も食べるから」
って言ってさっさと払って、受け取っちゃうの。
そして、すぐにうさぎちゃんに手渡す。
こういう行動は私でも、かっこいいな、って思っちゃうわ。
「ありがとう」
貰ったうさぎちゃんは、一口食べてからまもちゃんの口元にソフトクリームを運ぶ。
まもちゃんは、自然な流れでそのソフトクリームをパクリ。
「美味い」
「冷たくて最高だよね!!」
感想を述べながら、見つめ合い笑顔。
…すでに周りの空気がピンク色だわ。
歩きながらソフトクリームを食べるうさぎちゃん。
右手にソフトクリーム。左手に学生カバン。
今日あったこととかを、楽しそうにまもちゃんに報告するの。
うさぎちゃんの口が休まることはなくて。
でも、しばらく歩いてから、ハッと気づいたようにうさぎちゃんは立ち止まる。
視線の先はまもちゃんの腕、そして手。
立ち止まったうさぎちゃんを少し覗き込んで…それだけで、まもちゃんは理解したみたい。
「うさ、カバン」
迷うことなく、片手を出す。
「いいの?」
「ソフトクリーム食べ終わるまでだろ?」
「でも…それまであたしが我慢すれば、まもちゃん重い思いしなくてすむよ?」
少し迷いながらも、うさぎちゃんはまもちゃんにカバンを渡す。
「俺も繋ぎたいから」
言って、うさぎちゃんの手を取るまもちゃん。
「ちょっとでも長い間?」
「そう」
頷くまもちゃんの声に、うさぎちゃんは繋いだ手をギュッと握り返した。
二人の熱さのせいで、ソフトクリームが溶けちゃうんじゃない?
***
わかりにくいけどルナ視点です。なんとなくルナ視点。
日記再録。
夜の突発。適当でごめんなさい;;
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