W birthday!! | ナノ






嬉しい、とか感動した、とか緊張した、とか…
伝えたいことはたくさんあったけれど。

口から出て来た言葉は一つだった。

「ありがとう…」

疲れたようにベッドに横たわる妻の手を握りながら、はっきりとそう告げた。

「あたしの方こそ…まもちゃんと……生まれてきてくれたこの子にありがとうだよ」
目を細めて隣で眠る娘を見つめる。
やんわりと微笑むその顔は、先程から見せ始めた、母親の顔だった。

「二人共、ありがとう。それと…誕生日おめでとう」

「今日からこの日は毎年お祝いしなきゃね」
言って嬉しいそうに笑うけれど…衛は、彼女の言葉に違和感を覚えた。

「今までだって毎年祝ってたじゃないか」

「へ?」
どうやら忘れているらしい。
確かにドタバタしていたけれど…。

「今日うさの誕生日。忘れてない?」
「あたしの…あ、ホントだ!!」
一瞬考えてから、目を見開いて驚く。

「同じ日なんて…珍しいよな」
この日の大切さが二倍になった。
自分の誕生日は忘れても、この日は絶対忘れないだろう。

「ホント…なんか嬉しい!!正直、今は何でも嬉しい」

「そうだな…オレも」
世界中の人々にありがとう、と言いたい気分だ。

「家族が増えたよ」
彼女は、当然のことを改めて口にする。

「うん」
「一人じゃないよ。あたしもいるし…この子もいる」
「あぁ」
ゆっくりと…あやすように囁く声が耳に心地いい。

「守るものが増えたんだね」
「…二人でしっかり大事に育てていこう」
「もちろん!二人で一緒にね」
「ずっと、な」
「うん!!」
満面の笑みには、母親になっても変わらず、幼さが残っている。
それに気づき、何故だか少しホッとしてしまった。


「うさ…誕生日、何が欲しい?」
いつもは前日までにバッチリなのだが、さすがに今年はまだプレゼントを用意していない。
忘れはしなくても、衛もバタバタしていてプレゼントまで手が回らなかった。

「もう貰ったよ?」
「え?」
「神様とまもちゃんから…一番嬉しい最高のプレゼントを」
言いながら、生まれたばかりの娘の顔を撫でる。

そう言われると…その通りかも知れない。
これ以上嬉しいものはきっとない。

「でも、うさだけへのプレゼントじゃないだろ?…オレも嬉しいし…」
衛の言葉に、うさぎは少し考える素振りを見せた。
そして、思い出したように応える。
「じゃあ…大きなピンクのバラをたくさん!!」
「ピンクのバラ?」
しかも大きな??
「うん!!大きいの!!みんなに配るから」
「配る!?」
貰ったものを何故配るのか。

「パパが素敵なプレゼントをくれるよ。楽しみだね。パパ、バラが最高に似合うもんね」
怪訝な表情の衛を気にせず、うさぎはピンク頭の娘に幸せそうに話し掛けている。

「なぁ、うさ…理由は…?」
「まもちゃんなら、すぐ分かるよ!!」
「……」
わからないから聞いているのに。
でも、こういう時は気にしないに限る。どうせ今は教えてくれない。

「……わかった」

疑問に思いながらも、花屋に行った衛は、店の店員さんに理由を教えられることとなる。



『おめでたですか?』

「え…?どうしてそれを…」

『大輪のピンクのバラの花言葉は、[赤ちゃんが産まれました」です』





*****
当日に間に合わなかったιι
12時すぎたらいきなり書けるようになりました。五行で止まってたのに。
書ける時と書けない時、波があるのでホントになんとかしたいですιι

何はともあれうさ、ちびうさお誕生日おめでとう!!!^^遅れてちゃってごめんねι

これからも大好きだよ!!


アンケートはまもうさが同点一位!!
アンケート上位五位までの人達ははイラスト書かせて頂きますv

今日は朝から夜中まで忙しいのでそれが終わってからで;;







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