夫婦天体教室(?) | ナノ





「俺のものv」
「…まだ言ってる」
「だって…俺のもの♪」

今朝の衛の発言がよほど気に入ったらしい。
朝から一日中、こっそり(?)口に出して楽しんでいた。

衛はなかなか独占欲を見せないので、うさぎにとっては随分と嬉しい発言だったようだ。
独占欲も嫉妬も…なるべく見せないようにしているだけなのだが。

「自分のことを棚においてないか?」
「自分のこと?」
「好きだから?」
「あ…」
「月は地球に恋し「わかった!わかったから!!」
改めて言われると結構恥ずかしい。
照れて止めるうさぎに、衛は笑みを零した。

「でも、月を自分に例えるなんて…うさらしいかもな」
「そぉ?」
「普通はあまり考えないだろ?」
「…普通じゃないからね」
言ってにっこりと笑う。

「月って地球からずっとずっと離れないの。現在過去未来も。…あたし達みたいに」
「…前世、今、未来?」
「うん。未来は…まだ分かんないけど…」
「大丈夫」
少し沈んだうさぎの声に、すぐに返事を返す。
「そうだよね。でも…」
安心したような声音で、言葉を続けた。

「…つかず離れずの月と地球の距離は…なんだかもどかしい…」

小さく呟いて、娘の頭を撫でている衛の手に、自分の指を絡めた。

二人の間で、ピンク頭の愛娘は気持ちよさそうに寝息をたてている。

「どんなに近くても…それ以上近寄れないのは切ないよ」
キュっと…彼の手を握り締めた。

「例え話は例え話だろ?」
自分で始めた例え話にまで心を痛ませるうさぎは、痛みに敏感すぎると思う。

「そうなんだけど…」
「そんなに触れたい?」
言うよりも早く、彼女の腕を掴み、自分の方へと引き寄せた。

「まもちゃ…」
ちびうさが起きちゃう、と続けようとした言葉は彼の喉の奥へと消える。

「…んっ…」
彼女の吐息が熱をおびる始めると、静かに解放した。

「月に一番近い星は?」
火照った頭は一人のことしか考えられない。
幸いにも、きっとそれが答え。

「…地球」

「正解」

「……」

「だから、不安になることなんてないよ」
浮かぶ笑顔は何よりも信じられる。

「…じゃあ、まもちゃん。正解のご褒美に…」
「ご褒美に?」

甘えた声で続く言葉は…

「もっと…」


彼は静かに笑い、彼女の頬へと手を伸ばした。



あなたに触れられる喜びを噛み締めて。

想いが通じる奇跡に感謝して。




*****
ちゃんとキスで終わりますよ。
娘間で寝てるんですから。笑
あ、微裏も書きたくなってきた!!優しいドSまもちゃん!!!爆







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