だいすきだからホールドするんです! | ナノ
だいすきだからホールドするんです!!!
外出から帰ると、脱衣所で盛り上がってしまった。
こう、デートから帰って手洗いうがいをしているだけなのに、少し前のめりになって手を洗うマリューの後ろ姿と、鏡に映ったうがいをする仕草にムラッときてしまって。
彼女が普段とは違うおしゃれな服を、俺とのデート用に自分で選んで着ていたというのも大きい。今も着ている。
「どうしたの?」
「んー?」
そもそも戦艦の艦長室で二人で過ごすことが多いので、デートしてどこかのホテルに寄る等の必要がない自宅は好きなことし放題なのでは?と気付いてしまった。思春期の男子高校生でもないのに。おっさんではないが、いい年した男が。
「変なこと考えてるでしょ?」
「えっ」
「手、洗わないの?」
「洗う!洗います!」
ジト目で睨まれると、両手を上げて降参のポーズをしてしまう。その手を洗う。
そして、洗面台の前から立ち去ろうとするマリューの腰に、腕を巻き付けた。
洗面所、隣は浴室。普段風呂に入る時、服を脱ぐところ。
「なぁ、マリュー」
「なあに?」
少し警戒しながらも、当然のように俺の腕に身を預けて顔を覗き込んでくる仕草がかわいい。
「お風呂入んない?」
「ハァ?」
「ホラ、外出したし。汗とかかいてない?それとも、今からかく?」
「やっぱり変なこと考えてるじゃない」
俺の意図を理解したであろう彼女の頬に触れ、そのまま形のいい顎に指を寄せてクイッと持ち上げる。
「きみの言う変なことってどんなこと?汗かいてから一緒に入ろう、マリュー」
「そんなことだろうと思った」
ちょっと誘うようにできる限り甘めに呼びかけると、呆れながらも満更でもなさそうな声が返ってくる。
その声も全てがかわいくて、堪えきれずに口付けた。
「む…ぅ…」
甘い声で俺の名前を呼ぶ。自分の名前が妙に甘美なものに聞こえてしまって、頭の芯が焼かれていく。
「マリュー」
チリチリと燻っていた熱が、唇と、舌と、手と、彼女と触れ合っているところを通して、解放されたがっている。一番は、身体の中心だけど。
いきなりその熱をぶつけるわけにもいかないので、咥内を味わいながら彼女のスカートの中に手を入れた。
「あれ?」
引き締まっているのに程よい肉感を持った太腿のその先が、湿っている。
「準備万端?」
下着を少しずらすと、ツーっと液体が太腿に滴れていく。エロい。
「期待してた?」
「してない」
口角が上がる俺の頬を抓りながら、短く呟いて目を逸らす。
「これ下着も新しいやつでしょ」
「普通のデートは久しぶりだったし、もしかして……って思って」
「きみも変なこと、したかった?」
返事を返さず頬を抓っていた手が俺の両頬を挟んで、噛みつくようなキスをしてくる。
解す必要もなさそうなので、ずっと彼女の中に入りたがっているモノを、彼女の入口に押し当てる。下着を下ろして、熱いそこに。
「アッ……!」
「あっつ」
二人同時に息を詰める。
一気に入れた。指で解さなくても、彼女のそこはすんなり俺を受け入れた。
最初は少し窮屈でも、待ち構えていたように絡みついてくる。
「マリュー」
肩で息をする彼女の首筋に口付ける。そのまま下がって鎖骨の辺りにも。
何カ所か強めに吸うと、彼女の声が漏れた。
痕つけていいかな?と考えながらもう付けていた。
鏡に映る赤い痕を見ると、余計興奮してしまう。
「見て。マリュー。入ってる」
「もぉ、やめて」
言われて一瞬彼女も鏡を見たが、すぐに視線を外す。
「恥ずかしい」
「なんで?こんなにかわいいのに。マリューさんのえっちな顔」
美人さんの崩れた顔は崩れない。蕩けるような綺麗な表情。
「…んっ……ふぅ……」
ゆっくり抜き差しすると、マリューの気持ちよさそうな声が漏れる。俺も気持ちいい。
「あっ……ん……ムぅ……」
スローセックスももちろん好きだけど。マリューと愛し合えるなら何でも好きだけど。
鏡の横で立ったままのそのままだと、少し物足りなくなってくる。
もっと彼女を感じたい。
鍛え上げた大腿筋と背筋を駆使し、マリューの中に入れたまま腿から膝裏に両手を入れて持ち上げた。
「アッ……!ンンっ……」
振動で奥が擦れたのか、驚きながらもイイ声を上げる。
「ムウ!無理よこんな体勢」
マリューは俺の首にしがみついた。
「無理?不可能を可能にする男だぜ?」
「ばか」
心底呆れた顔をしているが、囁く声はしょうがないわね、と聞こえるのは都合よく捉えすぎか。それに、彼女の場合本気で嫌ならば武力行使してくるはずだ。だから結局、己の欲望のままに行動してしまう。
「や、ちょっと待って」
胸も全部押し付けながら手だけでなく身体全体でしがみついてくる。やっぱり地に足がついていないと不安が残るようだ。マリューが怖がるならよくない。
横の壁が目に入ったので、一つの案を提案することにした。
「背中壁でもいい?俺はいいけど、きみがキツいなら……」
壁に押し付けながら、ではないが、少しでも体重を預ける箇所が増えれば怖さも減るんじゃないか。そう思ったのだが、言い終わるよりも早く、彼女は足をガッツリ俺の腰に回してきた。それで彼女の重心が定まって、バランスがいいのか抱えやすくなった。
「キツくなんてないわ」
ちょっと躊躇いつつ蕩けそうな顔をしていたのに、凛とした声でそう言う。
「さすがマリューさん」
「さすがって……褒められてる気がしないわ」
恥ずかしそうにそう呟くが、俺のパートナーは美人で強くてかっこよくてかわいい。そしてエロい。最高だろ。ダメだ。にやける。
いわゆるだいしゅきホールドをされた状態で、更に元気になってしまったので、また動くのを再開した。
腰の動きを合わせる。
だんだん夢中になってくる。
彼女の声も気持ちよさそうで、煽られる。
「きみも結構ノリノリでしょ」
「だって」
綺麗な声が、甘えるような響きを孕んで。
「好き、なんだ、もの」
ムウと、するのが、と途切れ途切れに耳元で喘ぐ。
そもそも彼女は感度がいい。だからか反応もいい。しかも慣れてくると結構積極的に、素直な反応を言葉でも示してくれる。
「俺もマリューとするのが好き」
最高だろ。どこ探してもこんな女いない。自慢しまくりたい。でも絶対に誰にもやらん。
「生きててよかったーて感じ」
気持ちも身体も昂って、昇りつめそうになる。
「天国かな」
きっと天国にだってマリュー以上の女はいない。
「いっちゃだめ」
彼女がキュッと身体全体で逃がさないと締め付けてくる。腕も足もナカも。
「まだイかないよ」
「やっ!あっ!……あっ!」
余裕はない。息は上がっている。でも、まだ愉しみたい。
「一緒にイこ?」
そう言ってマリューが弱い奥の方を攻めたてる。
「ム、ゥ……!ムゥ……!アッ……ダメ……キちゃう!」
名前を呼ばれながら啼かれると、こっちも堪らなくなる。
「っ……!」
マリューのひと際大きな波に、一緒に溺れて、搾り取られてしまった。
*
少し休んで湯舟に浸かりながら。
「あとは…寝室ベッド横…玄関…台所…リビングテーブル横……。5箇所は出来そうだな」
「バカにも程があるわ」
キッと睨まれた。これはちょっと本気だ。
「冗談だって」
ちょっと本気だったけど。
「でもさ、あの体位ってきみの協力がないと出来ないだろ?さすがに」
物理的に。
俺をガッツリ雁字搦めにした彼女の足は、きゅっと引き締まった足首まで、イく瞬間のピンとのびる時以外俺に必死にしがみついてきて、愛しかった。思い出すだけでも、唆られる。
本人に言うと怒られそうなので口には出さないが。
「あんな体勢したことないわ」
「マリューの色んな初めてを貰えるのは嬉しいな」
ヒューっとつい陽気に口笛を吹いてしまう。
「奪ってる、じゃなくて?」
「頂いてる」
マリューはもうどこか諦めたようで、最近は一緒に愉しんでいる部分もある。
「それで、さ。どうだった?」
「どうって?」
どこかワクワクするような気持ちを抑えられない俺の問いに、マリューはキョトンとして聞き返す。
「家の中で他にしたい場所とか体位とかある?」
「ハァ?!」
「だって」
最中の彼女の言葉を忘れはしない。
「好きなんだろ?俺とするの?」
にっこりと訊ねれば、彼女の顔が真っ赤に染まる。
「曲解です!」
「えー?そう?言質はとったのに?」
「ムウの意地悪」
「サザーランドほどじゃないでしょ。マリュー・ラミアス艦長」
さて、次はどこでどう彼女と愛し合おうか。
***
自由に影響されたロマンティクスです。
IQ2くらいで読んで頂ければ…いや読まなくていいです。すみません。
でも考えた人いますよね…?
私は映画2回目みた時に考えてしまいました。
1回目はとにかく生き残った…すごい…尊い…しかもチューありがとう!で頭バーンだったんですが、2回目見て、この二人多分この体勢でアレって……なんかこう自然な流れすぎて……宇宙空間とはいえ……私だけじゃないですよね!?!?!?
いたいけな少女だったのに。これが20年の時の流れ…。
私は……どうしてこんなところまできてしまったんだろう……
私の……脳内は……(ふぁいんだうぇい)