月夜の晩に | ナノ



微裏です。苦手な方はすみません;;
でも微裏にもなってないかもしれませんι(どっちだ;;)



キスで濡れた唇を月光が照らし、微かに光る。
その真っ赤な花弁に魅せられて…引き寄せられるように、今度は深く口づけた。

「ん…」
彼女の熱を帯びた声が頭の芯に響く。酔わされるような…甘い感覚。

理性の箍が外れ、彼女の首筋へと唇を滑らせ始めた。

「エンディミオン…」
囁く声はどこまでも甘い。
だが、彼女の腕は彼を拒むように、二人の間にあった。

「何?」
優しく問いかける。

「月が…」
彼女は、彼の肩越しに窓を見ていた。

「月が見てる…」
小さく訴えるように呟く。
頬を真っ赤に染めて。

言われて振り返ると、大きな窓の向こうで月が光り輝いていた。

今夜の月は大きい。
地球のすぐ傍に接近しているようだ。

実際、彼の傍らには、月のお姫様がいる。



「…お母様に見られてるかも?」

「……」

「守護神達も見てるかも?」

「……」


「じゃあ…見せつけてやればいい」

耳元で囁く声は、楽しそうだった。


「セレニティ…」

掠れた声で名前を呼ばれたら…抵抗することが出来ない。

どうして彼の声は、こんなにも胸を締め付けるのだろう。


一人で眺める月も、二人で眺める月も…

どこか欠けているように、いつも切ない。

想いはつのるばかりだというのに…

いつまで経っても、満月のように満ちてはくれない。



「エンディミオン…」

彼の背に手を回し、罪悪感から逃れるように目を閉じた。

瞳を閉じれば月は見えない。


感じるのは、彼の存在と熱さだけ。





*****
何視点なのかわからないですね;;すみませんι
三人称でもないし…。

上手く表現出来ませんι
特にエンディミオン;;

二人ともホントに優しいから、常に自分達の関係について葛藤してそうな…気がします。

もうこの手を放すことなど出来ないと分かっているのに。







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