ミレニアム・ラブ | ナノ



一年に一度の大事な日。

この日に、今年も一緒にいられることを、ホントにホントに嬉しく想うよ。


何年経っても、

何度でも、


あたしはこの日に感謝するんだ。


十年も二十年も…

千年経っても。


ずっと一緒にいてね。





【millennium love】





「お誕生日おめでとうございます」
「これからも変わらずよろしくお願い致しますわ」
「今日のこの日を…とても素晴らしく思います」

太陽系外惑星の三戦士が順に祝いの言葉を告げる。

「ありがとう」

笑顔で礼を述べる、この星の王、キング・エンディミオン。

ラベンダーのマントに純白のマスク。
マスクの奥の碧い目は、年を重ねる度に深みを増している…気がする。
何もかも見透かされているような…。

(あたしの方が素晴らしく…大切に想ってるわ…)

ネオ・クイーン・セレニティは、先程のプルートの台詞に、胸の内で返した。

子供っぽいことを言っているのは分かっている。
けれども、去年スモール・レディが過去での修行を終えて帰ってきてから…過去のことを思うようになったのだ。

(昔はもっと二人きりになれたのに…)

最近お互い公務で忙しい。
一緒にいても仕事ばかりだ。

今日だって、盛大なパーティーが催され、二人きりになる機会なんて全くない。

誕生日なのに…。


「ご機嫌ナナメだな…」
一通り挨拶を終えたキングは、苦笑を漏らしながら呟く。

「……」
気づかれていたのだ。

「スモール・レディに先に言われたのがそんなに嫌だった?」

「…だって…」

「オレはその態度嬉しいけど…みんな気にしてるよ。そろそろヴィーナス辺りが注意しに来るんじゃないか?」

「えっ…」

下座に目を向けると、ヴィーナスがやれやれと言いたげに眉を上げてこちらを見ている。

『公の場なんですから私情は抑えて下さい。皆が心配します』

目で訴えかけていた。

「ほらな?」

「…むぅ」

(昔はヴィーナスだって…一緒にゲームしたり芸能人にキャーキャー言ったり…)

堅い。その証拠に仕事中は敬語だ。…仕事中は。

クイーンは自分でも気づかず、眉間にしわを寄せていたらしい。

「ママ、どうしたの?」

席を外していたスモール・レディが戻ってきて、自分の眉間を差しながら訊ねてくる。

「なんでもないわよ」
綺麗に笑みを浮かべて応えた。

娘の前ではしっかりした憧れのママでいたい。
例え、ドジで泣き虫だったのがもうバレていても。

クイーンのそんな思いが手に取るようにわかったキングは、二人にバレないように小さく笑った。



*****



「つっかれた〜!!」
「お疲れ様」

パーティーが終わり、やっとプライベートな時間だ。

キングはタイを外し、マントをイスに掛けそのままゆったりと座り込む。
クイーンはその姿を横で見ていた。

そして。

「お誕生日おめでとう!!」
思いきったように、改めて祝福を述べる。

「ありがとう」
いつもの笑みで返してくれた。

「一番に言えなくて…ごめんね…」

「気にしなくていいのに」
目を細めて笑う。

「気になるの〜!!」
必死に訴えた。

今までずっと一番に言ってきたのだから。

「こうやって一緒に誕生日を迎えられるだけで十分だよ」

「…ずる〜い…」
そんなことを言われたら、機嫌なおさざるをえない。
…悔しいから、座る彼の首に後ろから腕を回した。

「ま〜もちゃん…」
「久しぶりだな、それ」
それとは…呼び方か、この甘えた行動か?
一瞬浮かんだ疑問は口には出さない。

「…エンディミオン」
「何?」
「…キング・エンディミオン」
「?」

「前世も合わせたら…あたし達、一緒にこの日を迎えるの何度目なんだろうね」

「…たくさん、だな」

「それだけ一緒にいるんだよね」

「あぁ」

「これからも…いられるよね」

ギュッと…しがみつきながら。

「もちろん」

返ってきた声は凛としていたから。
いつかの誓いを思い出した。



『いつかあたしたちの役目が終わるまで ずっといっしょにこの星を守っていけるかな』

『いけるさ もちろん』

『あたしたちずっといっしょに 生きていける?』

『誓うよ』

あの時も。

凛とした声で。

『オレたちはずっといっしょだ』


あの誓いは、今もしっかり守ってくれている。

だから、あたしも。


「…ありがとう」

「感謝するところか?」

「生まれてきてくれてありがとう」
気持ちをいっぱい添えて、耳元で囁く。

「…うさ」

「あなたに出逢えてホントによかった。今日のこの日にすごくすごく感謝してる」

「ありがとう…。オレも…」
逢えてよかった、と。

首に回された細い腕を掴み、後ろを振り返る。

「だから!!長生きしてね」
目の前には満面の笑顔があった。

「長生きって…なんか年寄りみたいだな…」
苦笑いを浮かべるキングのマスクに、クイーンは触れた。

「…外していい?」

「どうぞ」

スッとキングのマスクを持ったまま手を下ろし…

そのまま、クイーンの方から彼に口付けた。

触れるだけの軽いキス。

頬を染めて離れようとしたら…彼が離してくれなかった。

「…んっ…」

「誕生日プレゼント、美味しく頂きます」

「…バカ」


クイーンの呟きはすぐに甘い吐息に変わる。





*****
まも誕なのにうさな話になってしまったιι
キングの口調がわかりません;;
だからまもです;;うさに対してはやっぱりいつまでもまもなんだ!!ってことでv笑

「あぁ」はアニメのラスト『』は原作のラストお借りしましたv笑
アニメラストのまもちゃんの「あぁ」相当好きです。言い方とか。二度目に少し気合いが入ったとことか。(*´д`*)

長くなったので、ちびに先こされるところカットしました;;

プルートがキングに片思いしてたのを思い出しまして…閃いたネタです。プルちゃんの片思いすごく好きでした。

まとまりない話でごめんなさい!!(>_<)
まもちゃんお誕生日おめでとー!!






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