想い想い* | ナノ


裏ご注意。
(結構エロ?)




確かに腕の中にいたのに。

突然、羽が生えて…

大きな風と共に、飛び立ってしまった。

手を伸ばしても届かない。

にっこり微笑んで、彼女は遥か彼方へと羽ばたいていく…。





左手を天井へと伸ばしたまま、衛は目が覚めた。
手に焦点があった時、やっと今までの光景は夢だったのだと自覚する。

「……」
体を起こそうとして、右腕の重みに気付いた。

「ん…」
衛が動いたせいか、重みの正体は小さく身じろぎをする。
起こしてしまうかと思ったが、相変わらず寝息は規則正しいままだった。

金髪を指に絡め、自分の右腕を枕代わりにしているうさぎの寝顔を見つめる。
安心しきったような表情は、年よりも幼い印象を与え、衛まで表情が緩んだ。


そして、腕の中の彼女と、先程の夢を照らし合わせる。


自分の中で彼女の存在は計り知れない。

唯一無二。
絶対不可欠。

大袈裟でなく、言葉の通りだ。

だが彼女は?

彼女が自分に与えてくれるだけ…

自分は彼女に返すことが出来ているのだろうか?


すぐに、この腕の中から去ってしまいそうな気がする。

もちろん手放したくないのだが、彼女がそれを望めば、自分はどうすることも出来ない。


「……」
万感の想いを込めて、頬や額に口付けていた。

彼女はくすぐったそうに笑い、目を覚ます。

「…まも…ちゃん?」
瞼を重そうに、持ち上げた。

「おはよう」
微笑んで返事を返す。

「もう朝…?」
彼の首に腕を絡めながら。

「いや、まだ全然暗いよ」
くっついてくる彼女に応えた。

「…難しいこと考えてた?」
「え?」
「ココ、しわが出来てる」
衛の眉間を差して。

「…何でもない」
「ホント?」
「あぁ」
「だったらいいけど…」
「どうかした?」

「…ううん」
少し考えてから、何でもない、と笑う。

その表情に。仕草に。

傍らにいる幸せと申し訳なさと…

何より、自分に対する悔しさが胸の内で蟠った。





「もう一回していい?」
「え?」
覆い被さって、小さく囁く。
この体勢は、明らかに彼が優位だというのに…どこか不安そうに。

「もう一回…」
うさぎの肩口に顔を埋めて、また言った。今度は呟くように。

「…いいよ」
一度目では意味が理解できなかったが、二度目ではっきりとわかった。

いつもなら、照れながら返事をするうさぎの顔を楽しそうに覗き込むのに…今日はそれがない。

彼が何かを恐れているようで。
その不安が伝わってきて。


精一杯、抱き締めた。



***



「ぁ…んっ…」

痛みを感じる頃から、彼の与えるものを不快に思ったことなんて、あたしはない。


「……」

でも。

「まも…ちゃッ……」

キスして唇塞いだって、わかるんだから。

「…っ…」

いつもみたいに名前呼んでくれないね。

「…ふっ…ぇ…」

何か考えてるでしょ。

「…っく…」

それがどれだけ寂しいか…。


「…うさ?」


やっと。

あたしが泣き出してやっと。


生理的な涙じゃなくて…

心理的な涙。


それは分かるんだね。


涙には敏感だよね。


今までの寂しさが…

ちょっと吹っ飛んじゃったよ。


「…ごめん」

ホントに申し訳なさそうに、長い指があたしの涙を拭う。

「…ぉ…願ぃ…」

必死に嗚咽をこらえて。

「……?」



「あたしのことだけ…考えて」


あたしはあなたのことで頭いっぱいなんだから。

他のこと考える余裕なんてないんだから。


そんな想いを込めて。

あたしからキスしたら。


彼は、泣きそうな笑顔を浮かべた。


伝わったかな?



…大好きだよ…





***





自分が不甲斐ないと思った。
情けないと思った。

何も出来ないからとか…そんなのじゃなくて。

いつだって泣かせたくないのに。

不安はオレ一人が感じるわけじゃない。

そんな当たり前のこと。


フッと、肩の力が抜けた気がした。



…やっぱり、オレは彼女に敵わない。





想いが強くなると不安も増えてくる。

それは、愛してる証。




「うさ」

「んっ…」


嬉しかった。

彼の手があたしに触れることが。
彼の舌があたしを味わっていることが。

何より、彼が呼んでくれることが。


「ふ…ぁ……」

頭の芯がとけてしまうような感覚の中で、両手を掴まれるのを感じた。

「っ…まもちゃ…んっ…?」

うさぎに答えず、衛の唇が首筋を滑り、鎖骨の窪みで止まる。
軽く歯をたてて痕をつけた。
そのままゆっくりと胸の膨らみへと移動する。

「ぁ…ンッ…」
確かに熱を持ち始める身体。
身を捩るのだが、腕の自由が利かず、与えられる刺激から逃れることは出来なかった。

「まもちゃ…手ぇ……ぁッ…」
放して、と言おうとしたのだが、胸の先端を口に含まれ、きつく目を閉じた。

「ん…ヤッ……」
波のように満ち引きする快楽。

「んんっ…」
「声、抑えなくていいから」
「ヤッ…でも…」
「でも?」
「恥ず…かし…ッ…」
「今更?」
衛は笑って、うさぎの足を開かせた。

「キャッ…!!」


「こっちの方が恥ずかしいことになってるけど?」
言って舌先をあて、蜜を嘗め始める。

「ヤぁっ…イジワルッ…!」
「本当のことだし…」
「ぁ…ヤ…ダメッ…」
「ダメ?」
聞き返して、嘗めていたところに中指を這わせた。

「ヒャ…んっ…」
「ダメなんだ?」
ナカには入れない。

「あっ…ッ…」
白い内股をすり合わせる。

「あれ?ダメじゃなかった?」
「…う〜…まもちゃぁん…」
涙をいっぱい溜めた抗議の目と、火照った顔で呼ばれたら。

「…はいはい、悪かったよ」
それ以上イジメることは出来ない。

「ふぅ…んっ…」
二本三本と指が増える毎に、彼女の口から鼻にかかった声が漏れる。

「いい?」
そろそろこっちも限界だ。

「…んっ…ッ」
コクンと頷く。

それを合図に、指よりアツいモノが入ってきた。

「…っぅんっ」
うさぎの呼吸がなだらかになるまで、瞼や目尻、頬や唇に口付けてくれる。
呼吸が落ちつくと、ゆっくり動き出した。

「まもちゃ…んっ…」
「…っ」

眉間に皺を寄せて、何かに耐えてるような顔は、きっとあたしより色っぽいよ。

そんなこと考えてたら、意識がだんだんと遠のいていく。


完全に途切れる前に、掠れた声で呼ばれた名前は…

いつもの二文字じゃなくて、懐かしい三文字だった。







「ん……」
うさぎが目を覚ますと、辺りはもう明るくなっていた。

隣に顔を向けると、衛が静かに寝息をたてている。

「あたしが先に起きるの…珍しいね」
子供みたいな寝顔を見ていると、幸せでいっぱいになってくる。


本当は、さっき目が覚める前に夢を見ていた。


空に羽ばたく夢。

気がついたら空を飛んでいた。


風をきって自由に飛び回るのは気持ちよくて。

空高くから眺める景色は、言葉に出来ない程壮大で。


調子に乗っていたら空で迷子になった。

自分が何処にいるかわからなくなった。


あたしらしいって…笑う?

でも、その時のあたしには笑い事じゃなかったんだよ!!


飛ぶのも体力がいるみたいで。

だんだん疲れてきた。


困って寂しくて。

泣きたくなった時。


まもちゃんの声が聞こえた。

「こっち」って導くみたいに。


振り返ったら、両手広げて立ってたの。


だから、迷わずその胸に飛び込んだ。


その途端、羽は消えちゃったけど。

ホッとしたんだよ。

よかった、って。

また泣きたくなった。



今思えば、あの景色…

まもちゃんと一緒に見たかったな。




想いはどんどん強くなる。

その分不安も増えてくる。



何があっても

どうなろうとも



ただひたすらに





君を想う…。







*****
お粗末様でした!!

新装版短編集2の表紙イメージで終わります。はい。

でもカオスです。

カオスって初めて使いました。
カオスでコルドロンです。(何)
最終的にゴールデンクリスタルになればいいと思います。(意味不)

ホント不完全燃焼でごめんなさい。
思い込めました。
そしたらわけわかんなくなりました。
わけわかんない思いだからだと思います。

…日々精進。







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