年下の男の子 | ナノ  オレなんか姉ちゃんにとってはただのガキ。
 その関係が嫌なのに一歩踏み出す勇気はなくて。
 今の関係に居座ってる。
 姉ちゃんには好きな奴がいるし…。
 でも…だからって、諦めきれる想いじゃないんだ。

【年下の男の子】

 宿に泊まることになった。
 相変わらず皆で酒飲んでドンチャン騒ぎ。
 まぁそれだけなら、いつものコトでまぁ良かったんだけど、今回はそれだけじゃなかった。
「……」
 居心地が悪いのか…さっきから姉ちゃんはずっと下向いてる。
「ゆや姉ちゃん…大丈夫?」
 オレの声に、姉ちゃんは顔を上げた。
「…大丈夫よ、サスケ君」
 にっこり。
 オレに心配かけまいと、明らかに作り笑顔だよ。
 今回は部屋に女がいるんだ。オレから見たら、化粧の濃いおばさん達。
 幸村や鬼眼の狂達に酒を注いでる。多分それで、ゆや姉ちゃんは居心地が悪いんだと思う。
 でも、なるべく一人で居るのは嫌みたいで此処に居る。
「風呂でも入ってくれば?」
 さっき行ってたような気もしたけど、そんなことしか浮かんでこなかったので言ってみる。
「そうね。サスケ君、一緒に入る?」
「は?!」
 持ってた剣玉を落としそうになる。
「姉ちゃん…!!オレいくつだと思ってんだよ?!」
「あはは…ごめん」
 姉ちゃんは可笑しそうに笑うけど、オレにとっては冗談じゃないよ。
 そして、姉ちゃんは多分今日二度目になる風呂に入ってった。
「サスケ〜〜〜ゆやさんが気になるみたいだね〜〜〜v」
「幸村!?」
 いきなり酔った幸村が抱きついてくる。
「も〜サスケも大人になちゃうの〜〜?悲しいな〜〜」
「お前…酔いすぎだろ…」
 幸村が酔うまで飲むなんて珍しいな、とも思った。まぁ幸村の場合、酔ってなくてもこんなノリだけど。
 暫くして、姉ちゃんは風呂からあがってきてた。
 また部屋に居て、居心地が悪そう。おばさん達も、まだ当分部屋に居るみたいだ。
「早めに寝れば…?まだ、宴会続くみたいだし…」
 オレは姉ちゃんに早めに休む事を勧める。
「…そうだね。一緒に寝る?」
「へ?」
 さっきといい今といい、姉ちゃんやっぱり一人になりたくないのか?
 それとももしかして酔ってる?いや、酒飲んでた様子はないし。
 そう、思った時。
 後ろで殺気を感じる。
 こんな殺気出せるのは…。
 気付いたけど、気づかないふりをすることにした。
「……」
 とりあえず、二人で姉ちゃんの部屋に行く。
 部屋を出る時、また凄い殺気を感じたけど気にしないでおく。
「ほら〜サスケ君もおいで!」
「……」
 結局姉ちゃんに流されて一緒の布団に入る。あ、姉ちゃんやっぱり少し、酒の匂いがする。自棄酒…?
 姉ちゃんはオレのことただのガキだと思ってるんだろうな。だからこんな一緒の布団に入ったり…。まぁ、今現在立派なガキだけどな。
 でも、そのうちオレだってでかくなる。
 その時は…。
 そんなことを考えながら、姉ちゃんが寝入るのを待っていた。
 意外とすぐに、姉ちゃんの寝息が聞こえてくる。
 やべぇ。なんかドキドキするし・・・。
 早く出よう。
 部屋に戻るため布団から出ようとした。その時。
 突然服をつかまれた。
「え?」
「…狂」
 何とも言えない感情が胸中を巡る。
「ゆや…姉ちゃん…」
 服を掴んだ手を握る。
「いい夢見て…」
 言って、オレは姉ちゃんの部屋を後にした。
 部屋から出ると、丁度鬼眼の狂に会った。
「……」
 気になるなら、あんなおばさんに酌なんかさせなきゃいいじゃねーか。
 そう思ったけど。
「……」
 オレは何も言わずにその場を去った。
 オレがでかくなって…
 姉ちゃんがオレを漢として見るようになったら…
 どうなるかな?



*****
えっと…ゆや受けは狂ゆや以外片思い専門な夏希ですが、サスケは結構いい線いきます。
まぁ、それでもやっぱり片思いなんですが。(笑)

てか書きにくいですね。狂ゆや以外。なかなか書かないからなぁ…。


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