葉桜 京朔 | ナノ
ありがとうの言葉がこの胸に溢れてる。
君を倖せにすることが今の僕の全て。
「いつ見てもやっぱり綺麗だね」
「えぇ」
「朔夜とだから…こんなに!」
「京…」
縁側に座って、葉桜になりだした庭の大きな桜を眺める。
手元には朔夜の入れたお茶。横には越後屋の美味しいお団子。
今年の桜が開花し始めてから、毎日二人で眺めているけれど…飽きない。
柔らかく吹いた春の風がそっと、朔夜の髪を靡かせた。
「……あ!昨日蕾だったアレが開いてる!」
「え?」
「ほら、右の…大きな枝の先の…」
京四郎が指差した方に視線を向け、必死に探す朔夜。
そんな彼女の頬に。
チュッ
「っ!京四郎!」
「えへへへへ」
デレッとだらしなく笑う。
いいのか悪いのか…
桜の前でも、昔のような悲しい笑顔はない。
「何年先も、何度でも、こうして二人で桜を見たいの」
頬を淡いサクラ色に染めて、朔夜が微笑む。
「僕も!」
さぁ、と立ち籠めた風もサクラ色に染まる。
君の笑顔が、小さくて…大きな倖せ。
*****
狂ゆやを軽く越えるバカップルがここに居た…。
なんか二人共デレデレすぎて、妙に書きにくいです。この二人。笑
そして、最後はやっぱりあの二人。
戻る