おかえりなさい | ナノ
三年ぶりの再会を果たした夜。
待ち焦がれた彼は…私を…
押し倒した。
【おかえりなさい】
「言っただろ?」
もっとスゲェことしてやるって、と口角を上げて笑う。
近くに狂が居ることが嬉しい。
嬉しいけれど…これは近すぎる!
「なっ!ばっ!!」
5p先の彼の眼と同じ色に染まる顔面。
恥ずかしさと驚きで続きは言葉にならない。
エロ魔神は三年経っても変わっていないのだと、身にしみて分かった。
変わらない、自分の知っている狂で嬉しいけれど…いや、でも…。
「オレ様をずっと待ってたんだろ?」
「それは!そうだけど…す、すげーこととは関係なくて…!!」
赤面するゆやも三年前とあまり変わらない。
結局、いつもの二人だ。
「ゆや」
「!?」
絶望的な状況で一度聞いただけだった、名前。
実は、この三年間の支えだった二文字。
その二文字の甘い誘惑だけで…いとも簡単に落ちてしまった。
***
「みんなね…」
ゆやは仲間の近況を話そうとする。
伝えたいことがたくさんある。
三年の間に色々あった。
この空白を、少しでも埋めたい。
けれど、
「たくさんのことが…ね…」
強い睡魔に襲われた。
身体がダルい。
脱力感と倦怠感と…それらを越える安心感。
力が抜けていく。
「続きは明日、だな」
低く柔らかい声が聞こえた気がした。
そうだ。明日も明後日も時間はある。
帰ってきたのだ。
明日も明後日も…きっと一緒だ。
逢いたかった。
逢いたかったよ、狂。
「おかえりなさい…」
遠のく意識の中で、ただ一言囁いた。
*****
初夜ですが、全くエロくないですね(笑)
狂ゆやスキーさんなら誰もが一度は妄想するであろう、再会夜です。
私は、何パターンかイメージがあったりします。
愛することは信じること!
これ私のゆや子イメージ!
珍しく、狂バージョンの方が甘いかもです…。
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