双頭の猟犬
「そして少年は最期にこう言いました。『もう終わり?』」


「狼の狩りを、知ってる?」
「獲物を定めたら、そいつを狩るまで追い続けるんだ」
「自分がダメならその子供、子供もダメなら更にその子供が…」
「そうやって、血の続く限り獲物を追い詰める」
「ねぇ、その意味、わかる?僕達は、獲物を絶対に逃がさないよ」

殺意に満ちた、冷えた瞳。
獰猛な獣を思わせる目付きは、子供である二匹の外見にはそぐわないものだ。

「「…僕達は、怒っているんだ」」

二匹を中心に、空気が冷え込み、重くなっていく。
斬り掛かろうとしていた海兵が数人、その足を止めた。
二匹は、その手に武器を持ってはいない。それなのに、先程から妙な威圧感を放っている。
背丈が自分達の半分以下しかない小さな子供に、大の大人が恐れを抱いている。
何なんだ、と、誰かが呟いた。


「僕達からあの人を奪った海軍も!」
「あの人の邪魔をしようとする海賊も!」
「「全部全部、狩り尽くしてやる!!」」


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