◇柳田博士の手記:前編−1/9−
今となってはもう遠い昔のことだ。
私の髪には白髪が交じり、顔には幾筋もの皺が刻まれた。
けれど彼らは今もあの頃のままなのだろう。
あの湖の畔に建つ荘厳な城の中で、美しい顔に妖しい笑みを浮かべているのだろう。
しかし、こうして書き付けた所で誰が信じてくれようか。
森の奥深く、夜の王国に住む永遠の一族の話など…。
だがあの出来事なくしては、今の私は存在しえないのだ。
――柳田博士の手記――
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