王妃の日記−番外編− | ナノ


 ◇After 第八罪−1/1−
夜刈先生が帰った後、学園には再び平穏な日々が戻ってきた。

「「「きゃ―――」」」

「「「支葵せんぱーい」」」

「「「白亜様―――」」」

「「「ワイルド先輩―――」」」

「「「キャ―――!!!」」」

月の寮の前は今日も普通科の女子生徒たちでひどく混雑している。
ん?今日は男子生徒の数もいつもより多い。
それに、いつもと違う名前が叫ばれてたような…?

「おい、優姫!」

突然零に肩を掴まれた。

「いったーい!何!? もうっ」

「何で白亜がここにいるんだ!?」

『私も風紀委員だからよ、零』

「でも危ないだろ!」

ああ、そうか。
零はこの前の白亜の凄さを知らないんだ。

「優姫、お前もなんとか言えよ!白亜っ!待て、そっちに行くな!」

「零、大丈夫だから黙って見てて」

「は?」

白亜は普通科の生徒達の前に立った。
その途端、歓声は轟音に変わった。

「「「「「キャ―――――!!!白亜様―――――!!!」」」」」

その轟音も、白亜が人差し指を口の前に持ってくると、ピタリと止む。

『皆さんお静かに。今日もお行儀良くお願い致しますね』

「「「「「はい!!!白亜様!!!」」」」」

その後はまた軍隊のごとき整列。
隣の零は唖然としていた。

「……優姫、俺たちの今までの努力って、何だったんだろうな…」

うん、零…。
私も全く同じ気持ちだよ……。

−END−

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