王妃の日記−番外編− | ナノ


 ◇ツンデレラ−1/5−
昔々ある所にツンデレラという、それはそれはツンデレな男の子がおりました。
ツンデレラは継母と二人の義姉と共に暮らしていました。


「ちょっと英、床が汚れてるわ。綺麗にして」

瑠佳お姉さまは言いました。

「何で僕がそんなことを…」

「この程度の掃除もできないの?"奇跡の天才少年"もたかがしれてるわね」

「何だと!?僕を見くびるな!!」

お姉さまの言葉にカチンときたツンデレラ英はせっせと床を磨きます。
それはもうピッカピカに。くすみ一つありません。

「あら?やればできるじゃない」

「当然だっ」

ツンデレラの扱いは簡単なのです。 


「藍堂さん、おなかすいた」

莉磨お姉さまがやってきました。

「何か作って」

「誰がそんなことするかっ」

「……このまえのビーフシチューすごくおいしかった」

「ふんっ当り前だろう!この僕が作ったんだからな。……そんなに僕の料理が食べたいなら、しょうがないな、作ってやる」

三十分後、出てきたのはあったかミネストローネ。

「今日は冷えるからなっ。まあ、トマトが余っていたから作っただけだけど」

ツンデレラは褒められるのに弱かったりします。

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