◇第三十六罪:原罪はその腕に抱かれて−1/11−
――カツン、カツン
分厚い石壁に靴音が反響する。
――カツン、カツン
「壱縷…」
青年は鉄格子に近づき、床に置かれた銃を手にした。
「…それは、どうした…?」
「……零」
銃声が響く。
血薔薇の銃弾が零の肩を貫いた。
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