王妃の日記 | ナノ


 ◇第二十七罪:霧中の探究者−1/10−
昔々あるところに、とても豊かで平和な王国がありました。

その国は若く美しい王様と王妃様によって治められていました。

湖のほとりには立派なお城がそびえ、王都はたいそう栄えていました。

春には萌え出た若芽の香りが満ち、夏には大きな樹木に青葉が輝き、秋には夜空に漂う月が都を照らし、冬には湖を白い雪が包み込む、それはそれは美しい王国でした。

しかしある日、平和の象徴のようなその国は、タナトスの黒い翼に覆われて、むせ返る程の血と死に染まってしまったのです。

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