消えるのはED後 急いで駆けつけたにも関わらず呆然と立ち尽くしてしまったのはこの惨状に言葉を失ってしまったからか、それともなにもできなかった自分が悔しかったからか。 それとも… 「ルーク!無事か!?」 「あ…しゅ」 目の前の惨状から目が離せない。空へと昇っていく沢山の淡い輝き…レプリカの命が終わったときに起こるそれ。何の事か分からない者には美しい光に見えるんだろう。 「まに、あわなかった…みんな、が…」 「ルーク…!」 「どうして…何で?何で被験者はこんな残酷な事簡単にできるんだよ!!」 俺の肩に慰めるように置かれた愛しい人の手さえ、今は煩わしいように感じてしまう。振り払った手はパシンッと乾いた音を立ててその場で止まった。 「そんなにレプリカが許せないのかよ…確かに被験者の命を食らって生まれたレプリカもいるだろうさ!!でもな、レプリカだって生きてるんだよ…レプリカにだって命があるんだ。彼等は人形じゃない」 「わかっている…」 「…ごめん 。手、痛かっただろ」 固まったままの掌を両手で包んで自分の頬へと導く。思い切り叩いた手は少し赤くなってしまっていた。 「頭が真っ白になる気持ちはわかる。だが全てのレプリカを守ることはほぼ不可能なのも分かっているだろう?」 「でもっ…」 「出来る限りの事は全力でする」 「……いつか俺が消えてしまっても?」 「消させねぇよ。お前は…ずっと俺の隣にいるんだ」 抱き締められた体から伝わって来たのはアッシュの微かな震えだった。 |