「…冷、実は俺達、龍と人間のハーフなんだ」 「…龍、ふざけんのも大概にしなよ」 「本当だぜ?アニキが魔法を使えねえのは羽と引き換えに魔力を捨てたから。アニキは竜人なんだ」 「竜神ならぬ?」 オレの兄ちゃんスゲーだろ的な笑顔を見せ、竜は龍を引っ張る。どうやら羽を出せとせがんでいる様だ。 「…仕方ないな」 メキ、と嫌な音がした。ビリビリと服が裂け、立派な竜の羽が龍から生えていた。 「…これで、いいのか?」 「OKだぜ兄ちゃん。オイ、冷も信じたろ?」 「……本当、平凡って遠いのね…」 遠い目でため息。 黒木さん、黒木さんが一番平凡だよ…。 「でも何でいきなり?」 「何でも話すという約束を守りたかった」 龍は目を反らした。銀の目が揺れる。 「……まあ、いいけどさ。丸くなったよね、アンタ達。無理してとんがってたとか?」 「竜も俺も、竜人だ。人はなるべく遠ざけたかった」 「へぇ。けど私には近づいたんだ」 「竜人でも受け入れてくれるヤツを探してたんだよ。お前ら自体、普通じゃなさそうだしな」 過去とか、魔法とか、色々と複雑な私達を寄せ集めたのは誰だと問いたくなる程私達は平凡じゃない。 もしかして、普通じゃないのが平凡? 「竜人ですか。煬さんビックリです」 「煬さん。何の用ですか?」 「ふふふ。黙っておくのも忍びないので冷さんに平凡を壊す様なニュースを持ってきてあげましたよ」 「ニュース?私に?」 そして平凡とは縁が無さそうな煬さんが割って入ってきた。っというかまだ非凡続くの!? 「ユキネコさんのことですよ………。冷さん、貴女とユキネコさんはですね、」 言いにくそうに煬さんは目を細める。そこまで非凡な話なのだろうか…? 「実の…、兄妹です」 11.07.23 戻る |