ポケモン(原型) | ナノ



ここは…どこなんだろう…?
目が覚めたら何故かフシデに囲まれていて、ガヤガヤと何かを話している。それだけならフシデに拉致されたのかもしれない、と想像することができるのだけど、もっとすごいことになっている。
フシデが、私にでも理解できる言葉を話しているのだ!


「この人どうしたのかなぁ」
「フシデじゃないね」
「あっ、起きた!」


たくさんのフシデが私の顔を覗き込む。驚きすぎて声も出なかった。
どうでもいいけど、この状況っていつどくのトゲが刺さってもおかしくないんじゃ…。


「これ、何の騒ぎなの?」
「なんか、人が寝てたんだって」
「どんな人?」
「んーとね…」


フシデの話題は私一色。だが状況の飲み込めない私にとってはこんなところで話されても意味がわからなくなるばっかりで。
新しいフシデがちょっとごめんね、なんて言いながら顔を覗きに来る。


「ナマエ!?」
「……へ、」
「人って、ナマエだったの!? ぼくのことわかる? きみのフシデだよ」
「…私のフシデ…?」
「ほら、背中を見て。ポケモンバトルで付いた傷! これでわかる?」
「あっ!」


確かに私には自分の手持ちとして連れ歩いていて、背中に大きな傷が残ってしまったフシデがいる。傷の大きさもちょうど同じぐらいで、身体の大きさも多分同じだと思う。彼はどうやら、私のフシデらしい…。


「知り合いか?」
「うん。ぼくのパートナーだよ」


私のフシデにはこんなに仲間がいたのか、なんてぼんやり考えながら起き上がる。わあ、起き上がった!とか声が聞こえる。驚かせてごめんよ。


「フシデ、ここはどこなの?」
「ここ? ここはフシデの国だよ」
「フシデ? 不思議の国じゃなくて?」
「うん、フシデ。いやー、まさかナマエがフシデの国に来てるなんて思わなかったよ」


フシデの国って何だー!?
そう叫ぶ前に、めまいを覚えた私は再び倒れ込んだ。
――これはきっとフシデと一緒に寝た私の、おかしな夢なんだ……。
頭の中で、そう呟きながら。





―――

タイトルの一発ネタが使いたかっただけなんです




16.10.06


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