「ペラップさんペラップさん」
「ん?どーした?」
「何か面白い話してください」
言ったとたんにわたしを見てジト目で怒り始める。しかも無駄に大きな声で怒鳴り付けてくる。正直何てめんどくさい上司なんだろう…。
「そんなこと言ってないで仕事行ってきな!」
「ペラップさんのケチ」
「おだまり!早く行って、ギルドの為に稼いできな」
さあ行った行った、と青い翼でしっしっ、と追い払われる。そんな邪険にしなくてもいいじゃないね。ここ最近真面目に仕事しすぎてるから疲れちゃったんだよ。もうちょっと優しくしてくれたっていいじゃないか!
しかも働いたって10/1はギルドに持ってかれるしさ〜。割に合わないっての。
「ってかもう行ってきたんですけどー…」
「え?そうなのか? それじゃ、もう一回行っといで」
「ふざけないでください」
この鬼!と叫べば何とでも言いな、と顔を背けられる。コイツ何でこんなにみんなの話聞かないんだろう。こっちが弁解しようとすると「おだまり!」の一点張り、信じられないことには「そんなの信じられるか!」だし頭堅いよねー…。
実際その場面を見るか、自分だけ意見が分かれたりしない限りその事実を認めない。情報屋だとか言って威張ってるけど周りを見る目がなっちゃいないと思う。
「…何てな。ギルドの弟子の状態を把握してないとでも思ったか?」
「え?」
「このわたしが気付かない筈ないだろ!さ、ちょっと休んでおいで」
「じ、じゃあ…、お言葉に甘えて…」
部屋に戻る途中、ペラップさんをチラリと見るとウインクしてた。見てない様で意外と見てるんだ…。
でも正直晩御飯の時間には起こして欲しかったな!
―――
不器用ペラップさん
12.04.26
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