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「あ、笹の葉ー」
「さらさに貰った。七夕パーティーするっつったら快くくれたぜ」


さらさらと風にそよぐ笹の葉を見てもうそんな季節かとぼんやり考える。もう既に葉には短冊がたくさんかかっていて、これだけの願いを全部見るなんてさらさちゃんも大変だろうな、と思った。よし、さらさちゃん来たら頭撫でてあげよう、そうしよう。


「MZD、私も書いていい?」
「了解、ほら」


どこからか短冊が現れ、それをMZDは私に差し出す。実はまだ決まっていない願い。さてどうしようかと私は短冊を前にしてじっくり考える。どうしようかなぁ。


「…あ、」
「決まったか?」
「うん、決まった。えっとね、皆の切実なる願いが叶いますようにって」
「おお…。なんかオレより神っぽい」
「神なら全部自分で叶えるでしょ…」
「んな叶えらんないっつの。一体この世にどれだけあんだよ、切実」
「あ、そっか」


MZDの言葉にそれもそうかと苦笑する。実は特に思いつかなくてこうしたけどまあそこはいいでしょ、うん。


「あー、オレも短冊書こっかな」
「え、MZDも?」
「これからもポップンパーティーが開けますようにってな」
「…何かMZDらしい願いだね」
「オレだもん、当たり前じゃん」


MZDはほんとにパーティーが好きで。私もそんなMZDが好きなパーティーが好きだから毎回参加してしまう。呼ばれなくても行っちゃうよ!
ああ、短冊に付け加えよっかな。


「特にMZDの…っと」
「あ?オマエ…?」
「うん、私もパーティー好きだからさ。お婆ちゃんになっても参加するよ」
「…んじゃ、なまえが婆さんになっても楽しめるパーティーやるよ」
「えへへ、ありがと」


何だか将来の約束しちゃったみたいだ、と笑う私にMZDはじゃあそれでいいよ、と言っていた。
…あれ、何この付き合って何年か経ったカップルみたいなの。





―――

むしろ熟年夫婦かもしれない




12.07.09



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